650馬力超! トヨタ「新型フラッグシップスポーツカー」世界初公開! 4リッターV8ターボ×ハイブリッド&メーカー初の“超軽量”オールアルミボディ採用! 27年発売予定の「GR GT」の凄さとは!
サーキット走行だけでなく日常使いも配慮したインテリア
駆動方式は、リアルスポーツカーらしく後輪駆動のFRレイアウトにこだわり、「GR86」でもこだわってきた低重心はもちろん、ドライバーをより低く、車両の中心に座らせるというパッケージングを実現しています。
そのため、4リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、レーシングカーにも使われているドライサンプ方式を採用。リアのトランスアクスル、ユニット類の最適配置によって、重量物の重心位置を大幅に引き下げました。

パッケージングでの特筆すべき点は、F1やGTマシンのようにドライバーとクルマの重心をほぼ同じ位置にしたことです。すべては、理想的なハンドリング、スポーツカーのキモである旋回性のためのパッケージングといえるでしょう。
さらに、スポーツカーにとって非常に重要な空力性能は、従来と異なるアプローチが採られており、通常はエクステリアデザインの方向性が決まってから空力性能が詰められる場合が多いのですが、GR GTは空力性能の理想像を定めてからデザインの検討を進めたそうです。
「空力モデル」と呼ぶ空力設計のメンバーが提案した理想のフォルムを表わした模型をベースに車両パッケージが決定され、デザイナーと空力担当者がタッグを組みデザインされました。
先述したように、4.8m超という全長の長さは、エンジンルームを含めたパッケージング、空力性能の点から決定されたのか気になります。
インテリアは、人間工学の視点からプロドライバー起点のベストなドライビングポジションを探るなど、限界走行を支える視界を実現するため作り込まれたそう。ロードゴーイングモデルですので、サーキット走行だけでなく日常使いも配慮されました。
優れた視認性と操作性が要求されるスイッチ類は、運転操作に関わるスイッチがステアリング付近に配置され、直感的に押しやすい位置や形状が採用されています。
メーターもサーキット走行時でも高い視認性を得られるように、シフトアップインジケーターとシフトポジションなどの表示の幅、高さ、位置などを試行錯誤しながら決定されたそうです。
GR GTは、TOYOTA GAZOO Racingがレースシーンで培ってきたノウハウ、知見が惜しみなく投入されているはずです。
「GT3」規則に基づくレーシングカーであるGR GT3のロードゴーイングモデルとしてのパフォーマンスが与えられています。
GR GTの登場は、厳しい環境を乗り越え、スポーツカーの未来を切り開く、トヨタの情熱の結晶と言えるでしょう。
Writer: 塚田 勝弘
中古車の広告代理店に数ヵ月勤務した後、自動車雑誌2誌の編集者、モノ系雑誌の編集者を経て、新車やカー用品などのフリーライター/フリーエディターに。軽自動車からミニバン、キャンピングカーまで試乗記や使い勝手などを執筆。現在は最終生産期のマツダ・デミオのMTに乗る。
























































