まるで“スポーツカー”な「“4人乗り”ミニバン」がスゴイ! ド迫力ワイドボディ&車内に「V10」エンジン搭載! もはや家族では乗れない800馬力のルノー「エスパスF1」とは
モーターショーなどの自動車イベントでは、メーカー各社から様々なコンセプトカーが発表され話題となります。その中でも過去、世界中に大きな衝撃を与えたのが、F1のエンジンをそのままミニバンに搭載したルノー「エスパスF1」です。どんなクルマなのでしょうか。
800馬力のV10搭載!? 伝説の速すぎ「ミニバン」とは?
カスタムカーのイベント「東京オートサロン2026」が幕張メッセ(千葉市美浜区)で2026年1月9日から11日まで開催されます。
例年、会場ではショップ独自のアッと驚くカスタムカーが話題をさらいますが、今から約30年前、自動車メーカーのルノー自らが製作したプロトタイプカー「エスパスF1」は、それらを凌駕するほどのインパクトを持っていました。

1995年、ルノーは人気ミニバンの2代目「エスパス」の誕生10周年を記念して、スペシャルモデルを発表しました。しかしそれは、一般的な「記念車」とは次元が異なるものでした。
外観こそエスパスの面影を残していましたが、中身は当時のF1界を席巻していたウィリアムズ・ルノーのF1マシン(FW15C)そのものだったのです。
最大の特徴は、3.5リッターV型10気筒エンジンの搭載です。最高出力800馬力・最大トルク705Nmを発揮するレーシングエンジンを、なんと車体の中央(ミッドシップ)に搭載。トランスミッションもF1同様の6速セミATが組み合わされました。
そのレイアウトは極めて過激で、後席の間にエンジンがむき出しで鎮座するという常識外れなもの。車内には4つのカーボン製バケットシートが設置され、一応は「4人乗りミニバン」として成立していますが、乗員はV10エンジンの爆音と熱を直接背中で感じることになります。
ボディはカーボンファイバーで強化・軽量化され、巨大なリアウィングやワイドタイヤで武装。動力性能は0-100km/h加速が2.8秒、最高速度は310km/h以上と、当時のスーパーカーを凌ぐスペックを誇りました。
そもそもルノーというメーカーは、1980年代の「サンク・ターボ」や、後の「クリオ(ルーテシア)V6」のように、実用車の後席を取り払って強力なエンジンを積むミッドシップ化を得意とする、熱狂的な走り屋気質を持ったメーカーでもあります。
エスパスF1は、そんなルノーの狂気じみた情熱が“ミニバン”という形で結実した究極形といえるでしょう。
市販化こそされませんでしたが、メーカーが本気で技術力を注ぎ込んだ一台として、今なおファンの間で語り継がれています。来たる東京オートサロン2026でも、このエスパスF1のような、見る人をワクワクさせるユニークなモデルが登場することに期待が高まります。
Writer: くるまのニュース編集部
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