新型ジムニーなぜ人気? 軽の四駆が爆売れの理由をオン/オフ試乗で探る
ワインディング走行はMTとATで違いが
さて高速道路を降りて、ワインディング路を試します。ここではMTとATの差がはっきりと出ました。平均斜度9%の坂を登る時、AT車はMT車にみるみるうちに引き離されてしまいました。ATは積極的にシフトレバーを操作してギアダウンしなければ、他のクルマの流れに乗ることは難しいかもしれません。
それを除けば、新型ジムニーはワインディングロードでもイージーに乗ることができるようになったと言えます。大きなコーナーでも過度なロールはなく、揺り戻しもほとんどなし。従来型ではかなり気を遣ってハンドル操作をしたものですが、それも無用になっています。
オフロードは、もはや言うことはありません。深い溝ができた林道を走りましたが、ジムニーの実力から考えれば少し楽勝過ぎのステージ。よく脚が伸びて路面を追従する上に、激しい衝撃も非常によく吸収します。フレームもボディもミシリとも言わず、粛々と前に進んでいく様は、ドライバーに大きな安心感を与えてくれるでしょう。
特にブレーキLSDトラクションコントロールの採用は、オフロード4WDとしてのステータスを大幅に上げています。ジムニーは軽量で小回りが利くため、大型SUVや4WDと比べるとオフロードで有利と言われてきました。その上、悪路走破性をさらにアップさせる電子デバイスが採用されたのですから、もはや無敵です。あまりに走り過ぎるので、横転に注意が必要なくらいです。
ただし、すべてを統合しているESPがたまに足かせになるシーンも見られました。チーフエンジニアの米澤さんも「オフロードのためというより、雪道など日常生活のことを考えて付けました」と言っていましたので、ハードなオフロードドライブでは4Lにトランスファーを入れた上でESPをオフにして、発進時以外はブレーキLSDトラクションコントロールに頼らないと割り切った方がいいかもしれません。
あとはMTのギア比が相変わらず2速と3速が離れていることが、ダートなどを走る上で気になりました。2速にするとギアが低すぎる、3速では高い過ぎるというシチュエーションが多々ありました。オンロードでのスムーズな走りを考えれば、トレードオフだとは思います。