新型ジムニーなぜ人気? 軽の四駆が爆売れの理由をオン/オフ試乗で探る
新型エンジンになって高速走行もスムーズ
高速道路でも、高評価は変わりません。長年使ってきたK6A型エンジンからR06A型エンジンに変わりましたが、ロングストローク型の新ユニットは発進直後からトルクがグッと発生するため、巡航速度域までスムーズに加速できます。旧型オーナーの中には高回転型のK6A型の方が高速でも峠道でもフィーリングがいいという人がいますが、新エンジン方が万人受けするのではないでしょうか。
高速道路で特筆したいのは、新ATのフィーリングです。JB64型からはようやくトルコンのロックアップ機構が採用されています。従来型は登り坂の高速道路などでアクセルを踏み込むと、トルコンのスリップのせいでエンジン回転数が上がっても加速しないということが多々ありました。
このスリップをロックアップ機構で解消したことにより、エンジンのパワーがダイレクトに活かせて、グイグイと進むのでストレスを感じなくなりました。もちろん、よりアクティブにドライブしたいのであれば、5MTをオススメします。
先ほど述べたボディやサスペンション、ステアリングの改善により、レーンチェンジも実にスムーズで安心してできます。これならとっさの危険回避を行っても、フラフラと挙動が安定しないというようなこともないでしょう。ただ、安全装備に付帯した車線逸脱警報機能は少々デリケート過ぎる感があり、ちょっとでもセンターラインや路肩線に近づき過ぎようものなら、すぐに警報を鳴らすのはドキっとさせられました。まあ、それが役割なのですが…。
ところで、各部の使い勝手も先代よりも大幅に向上しています。まず、サイドウインドウの開閉スイッチがセンターコンソールに移動したことで、ドライバーは右膝に余裕ができました。荷室にラゲッジボックスが付いたことで(一部グレードを除く)、室内最後端から運転席&助手席までのフラット化が可能に。またタイヤハウス上の張り出しを無くして、より広く実用的な荷室になっています。「プロの道具を目指した」という開発コンセプト通り、遊びでも仕事でも利便性を感じるであろう使いやすさが随所に見られます。