スズキ「黒い“レトロ”軽SUV」に注目! 「カクカクデザイン」もカッコいい本格四駆に“公式”裏メニュー!? ジムニー「ブラックヘリテージスタイル」がスゴい
大人気のスズキ「ジムニー」には、実はカタログモデルとは一味違う、メーカー公式の「裏メニュー」的なカスタムが存在します。黒で統一されたその渋い仕様とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
1980年代のテイストを現代に蘇らせたレトロ仕様
スズキは2025年11月4日、本格オフロード軽SUV「ジムニー」の一部仕様変更モデルを発売しました。
そんなジムニーには、メーカー公式の「裏メニュー」的なカスタムが存在します。どのような仕様なのでしょうか。

今回のジムニー一部仕様変更では、衝突被害軽減ブレーキを最新の「デュアルセンサーブレーキサポートII」にアップデートし、検知対象や作動範囲を拡大し、「車線逸脱抑制機能」を標準装備しました。
また、これまで上級グレードなどの装備であった「ACC(アダプティブクルーズコントロール)全車速追従機能付き」(※5速MT車は全車速追従なし)や「後方誤発進抑制機能(4速AT車)」も採用しています。
加えて万が一のトラブル時にオペレーターとつながる「スズキコネクト」にも対応するなど、安全機能と快適装備を大幅に充実させています。
ジムニーは、1970年4月に軽自動車初の本格四輪駆動車としてデビューしました。大排気量車が中心だった当時のオフロード車市場に、軽自動車規格のコンパクトなボディで参入し、独自の地位を築き上げます。
現行モデルは、2018年7月に登場した4代目(JB64型)です。
3代目から約20年ぶりとなるフルモデルチェンジで、「プロの道具」をコンセプトに開発されました。原点回帰したスクエアなボディや、丸型ヘッドランプといった伝統的なデザインアイコンが特徴です。
その構造も本格的で、頑丈なラダーフレーム、エンジンを縦置きにしたFRレイアウト、副変速機付パートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションなど、悪路走破性を最優先したメカニズムを継承しています。
そんなジムニーですが、街中で見かける機会も多いため、「人とは違う個性を出したい」と考えるオーナーも少なくありません。
実はスズキ公式が提案する純正アクセサリーによるコーディネートの中に、ひときわ渋いスタイルが存在することをご存じでしょうか。
その名は「ブラックヘリテージスタイル」。往年のモデルを彷彿とさせるレトロな雰囲気と、現代的な「黒」の引き締め効果を融合させた、大人のためのカスタムスタイルです。
まず誤解されがちですが、この“ブラックヘリテージスタイル”は、特定の特別仕様車としてカタログに載っているグレードではありません。
既存のカタログモデル(主にXC/XLグレード)に、指定の純正アクセサリーを装着することで再現できる「コーディネートスタイル」のひとつです。
このスタイルのコンセプトは「TOUGH & NEAT(頑丈・屈強・たくましい/カッコいい)」。1980年代から1990年代にかけて販売された「JA11型」などの旧型ジムニーを彷彿とさせるデザインを現代風にアレンジしています。
もっとも象徴的なのが「フロントグリル」です。標準の「Sマーク」から、往年の「SUZUKI」ロゴが入った旧型デザイン風のグリルへ変更することで、顔つきを一気にレトロにします。
灯火類にもこだわりが見られます。
標準装備のLEDではなく、あえてハロゲンバルブのフォグランプを採用することで、温かみのある光がクラシカルな雰囲気を強調します。
足元には「スチールホイールセット(マットブラック)」を装着。あえてアルミではなくスチール(鉄チン)を選ぶことで、道具感と無骨さを演出します。
さらに、ボディサイドには「サイドデカール」、リアには「マッドフラップセット(ブラック)」や「スペアタイヤカバー」を装着。そして、全体のシルエットをワイルドに変えるのが「フラットルーフラック」です。
ここで注目したいのが、その「色」へのこだわりです。“真っ黒”に見えるその正体は、深みのある「ダークグレーメタリック」。光の当たり方で表情を変える、大人のための黒だといえます。
また、このスタイルは軽自動車のジムニーだけでなく、小型車の「ジムニーシエラ」でも再現可能です。ワイドなフェンダーを持つシエラに装着すれば、往年の海外輸出モデルを彷彿とさせる迫力が生まれます。
見た目はレトロですが、中身は最新です。純正ならではの設計で、先進の「スズキセーフティサポート」の機能を損なうことなく、安心してカスタムを楽しめる点も大きな魅力です。
公式が提案するパッケージのアクセサリー合計金額は、総額25万7840円(本体価格)。
さらにリミテッドスリップデフキット(LSD)とフロント・リアデフガードをセットし走破性を高めた「LSDアップグレードパッケージ」(14万2780円)も用意されます。
新車購入時にまとめて注文できるのはもちろん、すでにジムニーに乗っているオーナーが後からパーツを買い足して仕上げることも可能です。
「まずは顔つきを変えるグリルから」「手軽なマッドフラップから」といったように、予算に合わせて少しずつ理想のスタイルに近づけていくのも楽しみ方のひとつでしょう。
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ジムニーの「ヘリテージ(伝統)」とは、単に古いデザインを模倣することではありません。50年以上にわたり、現場で使われる「道具」として磨かれてきた機能美こそがその本質です。
ブラックヘリテージスタイルは、その機能美を現代的な「黒」で再解釈し、街乗りでも映えるクールなスタイルへと昇華させた、メーカー純正ならではの提案といえるでしょう。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。












































































