スズキ「“新”ジムニーシエラ」が“真っ黒”な「レトロ仕様」に!? ”誰でも買える”「公式カスタム」の「ブラックリバイバル」が渋すぎる! その内容とは?
大人気のスズキ「ジムニーシエラ」には、実はカタログモデルとは一味違う、メーカー公式の「裏メニュー」的なカスタムが存在します。黒で統一されたその渋い仕様とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
実は存在する! メーカー公式の「黒いレトロ仕様」
スズキは2025年11月4日、本格オフロードSUV「ジムニーシエラ」の一部仕様変更モデルを発売しました。
今回の一部仕様変更では、衝突被害軽減ブレーキを最新の「デュアルセンサーブレーキサポートII」にアップデートし、検知対象や作動範囲を拡大。さらに「車線逸脱抑制機能」を標準装備しました。

また、これまで上級グレードなどの装備であった「ACC(アダプティブクルーズコントロール)全車速追従機能付き」(5速MT車は全車速追従なし)や「後方誤発進抑制機能(4速AT車)」を全車に採用しています。
加えて万が一のトラブル時にオペレーターとつながる「スズキコネクト」を全車対応にするなど、安全機能と快適装備を大幅に充実させています。
ジムニーシエラの歴史は1993年5月、「ジムニー1300シエラ(JB31型)」としてデビューしたことから始まります。
現行モデルは、2018年7月に登場した4代目(JB74型)です。軽自動車規格のジムニーをベースに、1.5リッター(初代は1.3リッター)エンジンとワイドボディを組み合わせた、ジムニーの兄貴分的な存在です。
構造も本格的で、頑丈なラダーフレーム、縦置きエンジンのFRレイアウト、副変速機付パートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションなど、悪路走破性を最優先したメカニズムを継承しています。
そんなジムニーシエラですが、街中で見かける機会も多いため、「人とは違う個性を出したい」と考えるオーナーも少なくないでしょう。
実はスズキが公式で提案する純正アクセサリーによるコーディネートの中に、ひときわ渋いスタイルが存在します。
その名は「ブラックリバイバルスタイル」。「黒き系譜。いま、新たなる象徴へ」をキャッチコピーに、往年のモデルを彷彿とさせるレトロな雰囲気と、現代的な「黒」の引き締め効果を融合させた、大人のためのカスタムスタイルです。
この「ブラックリバイバルスタイル」は、特定の特別仕様車としてカタログに載るグレードではなく、純正アクセサリーを装着して再現できるコーディネートスタイルのひとつです。
コンセプトは「TOUGH & NEAT(頑丈・屈強・たくましい/カッコいい)」で、純正フェンダーやサイドステップの素地ブラックを活かしつつ、ブラック系パーツで統一することで、力強さとシャープな印象を強調しています。フロントグリルのスズキロゴもブラックで統一しました。
もっとも象徴的なのが、2代目(JA11型)を想起させる80年代風スプラッシュストローク調のサイドデカールで、往年のムードを現代に再解釈しています。
灯火類にもこだわりがあり、標準装備のLEDではなく、あえてイエローコーティングレンズの「ハロゲンフォグランプ」を採用し、温かみのある光でクラシカルな雰囲気を強調します。
足元には、アルミではなく“鉄チン”(スチール)の15インチスチールホイール(ブラック)を装着。道具感と無骨さを演出します。
さらに、「ドアハンドルエスカッション」、「サイドデカール」、「スペアタイヤカバー」、「エンブレム(ブラック)」、「マッドフラップセット」などを装着。黒地に白い「SUZUKI」ロゴのマッドフラップが、さりげなく伝統をアピールします。
そして全体のシルエットをワイルドに変えるのが「フラットルーフラック」。積載性を高めるだけでなく、クロカン車らしいタフな雰囲気を決定づける重要アイテムです。
注目したいのは「色」へのこだわりです。ブラック系パーツで統一することで、ジムニーシエラの力強いフォルムがより一層際立ちます。ピュアホワイトパールなど明るいボディカラーと組み合わせれば、2トーンのようなメリハリも楽しめます。
見た目はレトロでも、中身は最新です。純正ならではの設計で、先進の「スズキセーフティサポート」の機能を損なうことなく、安心してカスタムを楽しめる点も魅力です。
駆動系には、「フロントデフガード」、「リヤデフガード」、「リミテッドスリップデフキット(LSD)」がセットになった「LSDアップグレードパッケージ」も用意されており、下回りの保護と走破性の両立に配慮した“実用派”の仕立ても可能です。
ジムニーシエラ・ブラックリバイバルスタイルの価格(消費税込)は26万1800円、LSDアップグレードパッケージの価格は14万2780円となっています。
※ ※ ※
ジムニーシエラの「リバイバル(復活)」とは、単に古いデザインを模倣することではありません。過去のジムニーが培ってきた「タフさ」と「機能美」を、現代の感性で再解釈することです。
ブラックリバイバルスタイルは、その機能美を現代的な「黒」で表現し、街乗りでも映えるクールなスタイルへと昇華させた、メーカー純正ならではの提案といえるでしょう。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。






























































