トヨタ「“4人乗り”小型スポーツカー」がスゴい! 全長4.2m級のボディがちょうどいい! パワフル水平対向エンジン&6速MT搭載した最新「GRハチロク」どんなモデル?
トヨタのコンパクトスポーツカー「GR86」が2025年8月に一部改良を受けました。一体どのような点がアップデートされたのでしょうか。
トヨタ「最新GRハチロク」がスゴい!
2025年8月1日、トヨタは「GR86」の一部改良モデルを発売しました。
一部改良と聞くと、例えば「安全設備が充実した」といったアップデートがイメージされますが、今回の一部改良はまさに“GR86らしい改良”といえる内容になっています。

GR86の先代モデル「トヨタ86」のデビューは2012年でした。トヨタとスバルの共同開発車で、当時でもすでに珍しかったクーペボディをもつコンパクトスポーツカーとして人気となっています。
スバルの水平対向エンジンにトヨタの直噴技術「D4」をミックスさせたエンジンは、2リッターながら最大207馬力(後期型・6速MT)という高出力を誇りました。
駆動方式はFR(後輪駆動)のみで、トランスミッションは6速ATに加えて6速MTを用意するという本格派。国産クーペが貴重な時代において、ひときわ輝くモデルでした。
現行モデルは「GR86」と車名を変えて、2021年にデビュー。排気量は0.4リッターアップして2.4リッターになり、1260kg-1290kgという車両重量と相まって余裕の走りを見せます。
街中をゆったり流しても乗りやすく、でもアクセルを踏み込めばシートバックにドライバーの背中を押し付けるように加速する様は、扱いやすさと無邪気さを兼ね備えた令和らしいスポーツカーとなっています。
ボディサイズは全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mm、ホイールベース2575mmです。
初代は鋭い眼光が特徴の個性のあるマスクでしたが、現行型はスポーツカーらしさを保ちつつも優しい雰囲気のマスクへと変わっています。
他にも前輪のホイールハウス内の空気を抜くフロントエアアウトレットや、後輪周りのふくよかな造形、運転席上がピークとなってなだらかに下がるルーフと、その先にあるリアスポイラー、迫力のあるサイドシルスポイラーからも、スポーツカーらしさが伝わってきます。
一方、インテリアは水平基調でシンプルにまとめられており、大きなディスプレイのナビ画面を備えながらも必要な箇所には物理スイッチを残すなど、実用性を考慮したデザインです。
パーキングブレーキはもちろん手引(サイドブレーキ)で、ドリフト走行のきっかけ作りに役立ちます。
「2+2」の4人乗りクーペということもあり、広大なトランクは期待できないものの、後席を倒せばトランクスルーとなり、タイヤ4本分と工具を積めことが可能。これはGR86およびスバル「BRZ」のワンメイクレース「GR86/BRZ Cup」をはじめとするレースへの参加、およびサーキット走行を前提とした車両ならではの仕様です。
また、カスタマイズを前提としたシンプルな「RC」や、とりわけGR86/BRZ Cupへの参戦を目的とした「GR86 Cup Car Basic」など厳しいレース環境に耐え得るグレードもあります。
2025年8月の一部改良では、エンジントラブル時の安全性を向上させました。
具体的には点火回路系に故障が発生した場合に、問題のある気筒だけ停止することでエンジンが完全に停止することを防ぐもの。
これにより、故障時でも走行可能な状態を維持し、ドライバーが安全な場所まで車両を移動できるようになりました。
価格(消費税込)は293万6000円から361万6200円です。
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GR86は街中を颯爽と走るシーンでも、サーキットをガンガン攻めるシーンでも活躍する数少ないスポーツクーペです。
サーキット走行をするドライバーもそうでないドライバーも、貴重なこの一台が存在するうちに、クーペの良さを味わったほうが良いかもしれません。
Writer: 廣石健悟
1985年長野県生まれ。鉄鋼系物流会社や半導体パッケージメーカーの技術者を経てフリーライターとして独立。19歳で自動車に興味を持って以来、国産車を中心にさまざまな情報収集をしている。これまで乗り継いだ3台のクルマはすべてMT車。4台目となる現在の愛車はマツダ アテンザセダン(6速MT)













































