新車約213万円! トヨタ「究極の実用モデル」に大注目! 「ハイラックス」より小さいカクカクボディに5速MT&「人員輸送」仕様も設定! 「ハイラックス チャンプ」タイモデルが凄い
新型が発表されたトヨタのピックアップトラック「ハイラックス」ですが、シリーズには廉価で実用を重視した「ハイラックスチャンプ」というものが存在します。どのようなクルマなのでしょうか。
アフォーダブルな「ハイラックスチャンプ」
トヨタは2025年11月10日に、新型「ハイラックス」を世界初公開しました。ハイラックスはタイをメインに展開されるピックアップトラックで、新型では内外装の刷新だけでなく、多彩なパワートレインを用意し、正統に進化しました。
いっぽう、タイにはハイラックスの名称を名乗りつつも、廉価で実用性を重視したシンプルなピックアップトラックも販売されています。それが「ハイラックスチャンプ」です。

ハイラックスは1968年に登場したミディアムサイズのピックアップトラックです。
貨客兼用ピックアップトラックとしての実用性に、非常に堅牢で耐久性の高いラダーフレームシャシや本格的な四輪駆動を組み合わせ、高い信頼性を確保。以後、ピックアップトラックの定番として世界各国で評価されています。
2002年には、アジアの新興国向けの開発プロジェクト「IMVプロジェクト」が発足。IMVとは、「Innovative International Multi-purpose Vehicle(革新的な世界戦略多目的車)」を指し、1つのプラットフォームから地域のニーズに合わせた多彩な車種を開発して効率を高めるものとなります。
このIMV最初のモデルとして「ハイラックスヴィーゴ」が2004年に誕生。以降、時代や地域のニーズに合わせて進化し、世界180以上の国と地域に導入されることとなりました。
さて、2年前の2023年10月に開催の「ジャパンモビリティショー(JMS)2023」で、トヨタはコンセプトモデル「IMV 0」を披露しました。IMVシリーズの原点に立ち返り、現地ニーズに寄り添うピックアップトラックとして登場しています。
そしてその翌月である2023年11月、タイでIMV 0の市販モデルとなるピックアップトラック「ハイラックスチャンプ」が発売されました。
シャシには堅牢かつ耐久性のあるラダーフレームを採用し、リアサスペンションもオーソドックスなリーフスプリング形式を装備。コストと実用性、整備性を重視した設計で、長く使えるものとなっています。
ボディはロングとショートの2種類を用意。サイズは全長4705-5300mm×全幅1785mm×全高1735mm。特に狭隘な途上国の道路事情に合わせ、メインのハイラックスよりもコンパクトなサイズとなっています。
デザインは直線を基調とした無骨なもので、フロントフェイスは加飾の少ないブラック1色。角形のヘッドライトがあるのみの潔いスタイリングで、機能を重視していることがうかがえます。
搭載されるエンジンは、2リッターおよび2.7リッターの直列4気筒ガソリンエンジンと、2.4リッターの直列4気筒ディーゼルターボエンジンの3種類。トランスミッションは5速MTと6速ATを設定し、駆動方式はリア駆動となっています。
また、ハイラックスシリーズがタイで「国民車」と呼称されるほど浸透していることから、ハイラックスチャンプも自家用・業務用を問わずに使える荷台構造となっています。
具体的には、荷台部はボルト穴を設置して簡単に架装の脱着が可能な構造とし、さらに地域のボディ架装業者と提携し、トラック仕様だけでなく、移動販売車や人員輸送車、バンなどとしても使えるようになっています。
タイ現地の価格は45万9000~57万7000バーツ(約213万円~約268万円)。ハイラックスの現行モデルよりも20〜30%ほど安価に設定され、必要にして十分な機能と合わせ、現地のライフスタイルにぴったりはまるモデルとなっています。
新型ハイラックスが発表され、大幅に進化したいま、ハイラックスチャンプは必要最小限の装備を持つ、まさに「実用特化モデル」といえます。
クルマの高機能化・多機能化や電動化、先進装備の標準化などが進み、新車が高騰した現在、こうしたシンプルなモデルの需要は高まるのかもしれません。
Writer: 伊勢崎剛志
自動車販売から自動車雑誌編集部を経て、ライターとして独立。趣味も多彩だが、タイヤが付いているものはキホン何でも好きで、乗りもので出かけることも大好物。道路や旅にも精通し、執筆活動はそういった分野をメインに活動。
























































