グラス駐日米大使と豊田会長がフォード「F-150」同乗! 日米“クルマ文化交流”開催!? NASCARが富士を走った
富士スピードウェイで開催のS耐最終戦でNASCARがデモランを披露 。日本自動車会議所の豊田章男会長とグラス駐日米国大使が、豊田会長運転のF-150で登場し、「start your engines!」とコール。会場を沸かせました。
NASCARに見参! 豊田会長とグラス駐日米国大使が「start your engines!」
2025年11月16日に、富士スピードウェイで日米のクルマ文化が交差するイベントが開催されました。
スーパー耐久最終戦にあわせ 、NASCARマシンがデモランを披露。デモラン前には、日本自動車会議所の豊田章男会長とジョージ・グラス駐日米国大使が登場。豊田会長運転のF-150で会場に現れ、観客を驚かせました。

2025年11月15日と16日の2日間、富士スピードウェイはいつもと違う熱気に包まれました。
今回、「ENEOS スーパー耐久シリーズ2025」の最終戦が開催される中 、日米自動車文化の交流を目的とした特別な企画が実施されたのです。
主催は一般社団法人 日本自動車会議所で、北米モータースポーツの象徴であるNASCARマシンを招いたデモランやブース展示が行われました。
日本自動車会議所とは、1946年に自動車産業と社会の復興を目的に設立された団体で、クルマが国民生活の向上に貢献してきた中、現在は「文化の向上」を今後の注力領域と定め、2025年6月に豊田章男氏が会長に就任した以降は「クルマをニッポンの文化に!」を合言葉に、様々な活動を推進しています。
今回のイベントも「クルマをニッポンの文化に!」という活動を推進するもので 、次世代を担う子どもたちにモータースポーツへの憧れを抱いてもらう狙いもあります。
そんな今回のイベントについて、日本自動車会議所の豊田会長は次のようにコメントしています。
「先日アメリカに行きまして、日本とアメリカの産業界のみならず、文化面やスポーツ面など、いろんなもので交流を考えています。
その時に『モータースポーツもありますよね』という提案をさせていただきました。
それでやっぱりナスカーです。大使たちも、来年の(富士)24時間レースでナスカークラスを走らせるというのに、すごい盛り上がっています。
でも急に24時間レースでナスカークラスと言われても大変じゃないですか。だからそれを『トライアル』として、今回2ヶ月の準備期間でこれができたと思います。
そうしたら色んなことが分かってきて、実はこの富士スピードウェイは最初にナスカーを作るために作ったんですよ。それで30度バンクがあったりとか。本来はオーバルコースをここに作るはずだった。
そこに初めてナスカーが並べられたとか、一番下のクラスであれば日本のモータースポーツ好きのレーシングチームも活動ができるかもしれない。
大谷翔平選手とかいろんな選手がアメリカでやっていますが、そんな感じでモータースポーツも(交流が)やれるような兆しというか、期待が持てるものになっていけばいいなと思います。
ここの広場やピットのナスカーガレージも、私の想像以上に人気がありますから。とにかく今日、音を聞いていただいて、何か感じるものがあると思います」

また今回、スーパー耐久を主催するスーパー耐久未来機構(STMO)は、国内モータースポーツの普及と発展、および日米間の文化交流促進を目的として、新クラス「ST-USA」の創設。このプロジェクトは、国際的な文化発展に寄与するとともに、日本の自動車産業が直面する市場開放への対応の一助となることも目指しているとしています。
この「ST-USA」クラスでは、アメリカ製の車両やチームを招聘し、日米両国のモータースポーツと自動車文化の交流を促進させることを目的にしています。
これにより、従来のスーパー耐久にはなかったアメリカ製車両の魅力を導入し、観客層の拡大や新規参戦チームの増加を図るもので、さらに米国ブランドの参戦を通じて国内外への発信力を高め、日米の自動車産業連携の深化にも寄与していく狙いがあります。
今回は、今後の本格導入を見据え、IMSA公認「Mustang Challenge」 に参戦する「Ford Mustang Dark Horse R」と、SRO GT World Challenge Asiaに参戦する「Corvette GT3(BINGO SPORTS)」がST-USAクラスで走りました。
なお「Ford Mustang Dark Horse R」のドライバーには元F1ドライバー/WECチャンピオンの中嶋一貴選手の名前も。
そしてイベントのハイライトは、16日のスーパー耐久決勝レース前に行われた「USA モータースポーツ文化紹介デモラン」です。NASCARで活躍する車両やチーム、選手たちが日本に集結しました。
NASCAR CUP SERIESで7度のチャンピオンに輝いたレジェンド、Jimmie Johnson選手がNASCAR ルマン参戦特別仕様「Garage 56 Chevrolet Camaro ZL1」をドライブ。
さらに、John Hunter Nemechek選手や小林可夢偉選手は、NASCAR CUP SERIESの「NASCAR Toyota Camry 」を操ります。
なお小林可夢偉選手の乗る「23XI NASCAR Toyota Camry」は先日のトランプ米大統領が来日した際に迎賓館に飾られた個体でもあります。
そのほか、NASCAR Regional ARCA MENARDS SERIESに出場する古賀琢麻選手など、日米の豪華ドライバーがステアリングを握りました。
イベント広場やAパドックでは、これらのマシンが間近で見られる展示やピット公開も行われ、多くのファンが北米のレース文化に触れていました。
なお今回の日米クルマ文化の交流について、自動車会議所は「今回のナスカー開催は、日米関係への一度きりの『サービス』という位置づけでは考えていません」と説明。
さらには、自動車会議所として「クルマを(アニメや和食のような)文化にしたい」という長期的な展望を考えており、アメリカのクルマ文化の象徴であるNASCARを、日本で継続的に走らせることを目指しているとしています。

【サプライズ! 豊田会長がF-150をドライブ、グラス大使と登場】
デモラン開始直前、会場が最も沸いた瞬間が訪れます。日本自動車会議所の豊田会長と、グラス駐日米大使がサプライズで登場したのです。
豊田会長自らがフォード「F-150」を運転し登場。その後、グラス駐日米大使を助手席に乗せてデモランが行われるホームストレートまで移動するという予想外の演出にスタンドの観客からは大きな歓声が上がりました。
ホームストレートに停められたF-150の前で、豊田会長とグラス駐日米大使がマイクを握りました。
豊田章男会長は「これだけのスター選手が、今回この富士の最終戦に集まってくれました。その、尽力を尽くしていただいたのは、ここにいらっしゃるアメリカ大使はじめ、クルマが大好きな日米、世界中の皆さんのおかげだと思ってます。ぜひ、ナスカーの音を聞いてください」とコメント。
またジョージ・グラス 駐日米国大使は「本当にワクワクしております。こちらにご一緒させていただいて大変光栄に思っております。こういったナスカーの姿を見てですね、まるでアメリカに帰ってきたように思っております」とコメントしています。

そして、デモランの開始を告げる合図は、二人揃っての「start your engines!」。
この掛け声を合図に、Jimmie Johnson選手や小林可夢偉選手らが駆る6台のNASCARがエンジンに火を入れます。
観客は、日本で体感するNASCARの迫力あるサウンドと走りに、存分に魅了されていました。
Writer: くるまのニュース編集部
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