スープラ、GT-R、RX-7など日本車大活躍のカーアクション『ワイルド・スピード』
新作が公開されれば大ヒット!イギリスの「007」シリーズ、日本の「釣りバカ日記」シリーズのような展開になりつつあるカー・アクション映画「ワイルド・スピード」。破茶滅茶な展開にクルマ好きは引き込まれる手に汗握る映画です。
あらゆる日本車がカスタマイズされて登場!
いまや新作が公開されれば間違いなく大ヒットする超人気シリーズとなった『ワイルド・スピード』。日本のファンには3作目『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』などは、色んな意味でインパクトが大きかったのではないでしょうか。
昨年、膨大な予算と豪華キャストによる第8作目『ワイルド・スピード ICE BREAK』が公開されたシリーズですが、中でもクルマ好きからの評価が高いのが2001年に公開された第1作目。その物語をざっくり説明すると、気のいい窃盗団と囮捜査官が改造車による公道レースを通じて友情を紡いでいく……というものです。
犯罪者と刑事のアツく歪な友情をテーマにした作品はいくつかありますが、本作は全編にあふれるクルマへの異常なまでの愛情が特徴。主人公ブライアンは、鮮やかなグリーンの三菱エクリプスやトヨタ スープラ、スバル インプレッサ、フォード SVTライトニング、もうひとりの主人公である窃盗団のリーダー・ドミニクも真紅のマツダRX7、クライスラー ダッジ・チャージャー、シボレー シェベルSSなどなど、お互いに様々な年式の名車を改造し乗り回します。
他の登場人物たちもVW ジェッタや、ニッサン 240SX、マキシマ、スカイラインGT-R、ホンダ S2000、シビック、アコードなどなど主に日本車をみっちり改造し、ゼロヨン(約400m)公道レースに使用。数千ドル単位の大金やクルマの所有権などを賭けたりもするようですが、犬猿の仲同士のグループも参加するためつばぜり合いが激しく、文字通り命がけの戦いがコース内外で繰り広げられます。
その合間に盛り込まれるのが、幾多の修羅場をくぐり抜けてきた男たちならではのツンデレ友情物語。太陽がさんさんと降り注ぐロサンゼルスで、常にうっすら汗ばんだガチムチボディが、類まれな犯罪の才能とドライビングテクを駆使してぶつかり合う……。そんな暑苦しい画と併せて、小難しいことは考えたくないエンタメ指向の観客のハートを掴んだのです。
とはいえ1作目の製作時には、ここまでの長寿シリーズになるとは予想していなかったはず。ゆえに2時間弱の上映時間の多くをクルマ絡みの描写に割いており、結果的にカーキチ垂涎の映画となったのでした。ただ一つだけ残念なのは、第7作目『ワイルド・スピード SKY MISSION』の撮影終了前に、長らくブライアンを演じてきたポール・ウォーカーが不慮の事故で亡くなってしまったこと。メインキャストの永久降板は共演者や制作陣、ファンに深い悲しみをもたらしました。
しかし同シリーズには、現代ハリウッドにおけるタフ&マッチョの代名詞となったヴィン・ディーゼルや、ラテン系美女なのに“兄貴”の愛称で人気のミシェル・ロドリゲスはもちろん、ドウェイン・ジョンソンやジェイソン・ステイサム、カート・ラッセルなど、口より先に拳が出がちな人気アクション俳優たちが途中合流。今後もきっと“人情派のワル×カッコいいクルマ”というシンプルかつ燃えるテーマのもと、ますますワイルドな物語を生み出してくれることでしょう。