ダイハツ 660ccの「小さな高級“軽セダン”」に大注目! 超パワフルな「ターボエンジン」&斬新な“一文字ライト”採用!「スポーティ&ロー」でドライブが楽しい「SKツアラー」が凄い!

ダイハツが「第39回 東京モーターショー」に出展して話題を呼んだオープンスポーツカー「SKツアラー」とは一体どのようなクルマだったのか、その意義を振り返ります。

ダイハツ 660ccの「小さな高級“軽セダン”」に大注目!

 2025年10月29日から11月9日にかけて開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」では、未来のモビリティ像が提案され話題となりましたが、同時に、過去のモーターショーで発表された先見的なコンセプトカーの魅力も、改めて評価されています。

 本記事では、ダイハツが2005年の「第39回 東京モーターショー」で披露し、大きな話題を呼んだ軽自動車「SKツアラー」について、その意義と、現代の軽自動車に与えた影響を振り返ります。

ダイハツ 660ccの「小さな高級“軽セダン”」に大注目!
ダイハツ 660ccの「小さな高級“軽セダン”」に大注目!

 ダイハツは当時、企業スローガン「We do COMPACT」のもと、「ワンダフル スモール 未来系」を統一テーマに掲げ、軽自動車の「FUN、ECO、LIFE」という三つの価値への取り組みを提示していました。

 そしてSKツアラーも、そのテーマのもとに開発されたモデルの一つです。

 SKツアラーのコンセプトは、「流動的で躍動的なスタイリッシュフォルム、胸のすく走行性能、快いクオリティ空間をひとつにした、新ジャンル、爽快スモールツアラー」というもの。

 車名も、このコンセプトを一言で言い表した、「Soh(爽)Kai(快)Tourer(ツアラー)」に由来しています。

 そんなSKツアラーの最も着目すべき特徴は、そのユニークなパッケージングにありました。

 ボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1450mmで、ホイールベースは2440mm。

 軽ミニバン風のワンモーションフォルムでありながら、車高は“軽セダン”として低く抑えられていたのです。

 これは、当時から主流であった全高の高いスーパーハイトワゴン系とは一線を画し、走行安定性とスタイリッシュさの両立を狙った設計によるもの。

 またエクステリアは、横一文字に伸びるフロントおよびテールランプが先進的な意匠で、インテリアはラウンド形状で緩やかに包み込むような「ロー&サラウンド」な空間を実現し、快適性を追求していました。

 パワーユニットには、660ccの直列3気筒12バルブDOHCターボエンジンを搭載し、ティップシフト付きのCVTと前輪駆動(FF)の組み合わせを採用。

 この構成は、胸のすくような“爽快”な走りを実現するための選択であり、「単なる燃費重視のコミューターではない」という明確なメッセージが込められていたのです。

 実際、このSKツアラーは出展の翌年である2006年に、「ソニカ」という車名で実質的に市販化されました。

 そしてソニカはSKツアラーのコンセプトを色濃く受け継ぎ、ターボエンジンとCVT、そして大型で快適なシートを搭載。

 さらに当時のダイハツ車としては珍しく、2輪駆動モデルにスタビライザーを装備し、風切り音やロードノイズを大幅に低減するなど、走行中の快適性と静粛性を徹底的に追求。

 一説によると、このソニカのシートはトヨタの高級車「セルシオ」を参考にしていたとも言われており、それもあって軽自動車でありながら遠方へのドライブも楽しめる「爽快で質感の高い」モデルに仕上がっていたのです。

 しかし残念ながら、市場では全高の高いタントなどのスーパーハイトワゴンに押されてソニカ販売は想定ほど伸びず、2009年に販売終了となりました。

 SKツアラー、そして市販モデルのソニカは、軽自動車市場において単なる実用性ではなく「パーソナルな移動の愉しさ」や「質感」という価値を追求した、先駆的な存在でした。

 市場のトレンドに完全に乗り切ることはできませんでしたが、その挑戦的なコンセプトは、現代の軽自動車にも求められる「所有する喜び」という価値を改めて問いかける、自動車史において重要な役割を果たしたモデルだと言えるのではないでしょうか。

【画像】超カッコイイ! これがダイハツ「小さな高級“軽セダン”」です!(71枚)

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Writer: パワーボム

関西大学社会学部卒業後、某CS放送局運営のメディアにてライターとしてのキャリアをスタート。自動車ブログの立ち上げから携わり、主にトヨタ車やレクサス車、キャンピングカーを中心に取材記事を多数執筆する。

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