ガソリン価格が店舗・地域・日によって違うワケは?意外と知らない販売価格の仕組みと節約術
ガソリン価格は、なぜガソリンスタンドや地域によって異なり、日々変動しているのでしょうか。記事では、価格を構成する要素から、原油価格や税制、輸送費、店舗の競争環境といった変動要因、さらには地域別の価格差や節約術までを詳しく解説します。
ガソリン価格はガソリンスタンドや地域によって異なり、日々変動しています。
なぜ全国一律ではなく、日によって価格が変わるのでしょうか。

資源エネルギー庁が10月29日に発表した「石油製品価格調査の結果」によると、ガソリン等の店頭現金小売価格は、前週と比べて1.0円/L値下がり。3週連続で値下がりしており、レギュラーガソリンは173.5円/Lとなっています。
しかし、都道府県別で見ると、44道府県は値下がりしていますが、1県は横ばい、2都県は値上がりしています。
なぜ、地域や店舗だけではなく、日によってもガソリン価格が変動するのでしょうか。
まず、ガソリン価格の内訳について確認しておきましょう。
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・ガソリン本体の価格
・本則税率
・暫定税率
・石油石炭税
・消費税
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上記のように、ガソリンは本体価格に複数の税金が課税されており、4割が税金となっています。税金は税制が変わらない限り変動しません。
一方、ガソリン本体価格は原油価格や為替レートによって変わります。
原油価格の上昇や円安になると調達コストが高くなるため、ガソリン本体の価格も高くなるのです。
原油の輸出量や供給量の減少によって価格が高騰するケースもあります。
10月31日に、与野党6党はガソリン税の暫定税率を12月31日に廃止することで合意しました。
今後は暫定税率の25.1円/Lがなくなるため、ガソリン価格が値下がりする見通しです。
ただし、10円/Lの補助金も廃止されるので、実質的には15.1円の減税措置になります。このように、税制や補助金によってもガソリン価格は変わります。
では、地域や店舗によってガソリン価格が異なるのはなぜでしょうか。
ガソリンスタンドでは、輸送費や近隣店舗のガソリン販売価格のほか、人件費など複数の要素を加味してガソリンの販売価格が設定されています。
ガソリンスタンドで販売されているガソリンは、原油を輸入してから製油所で精製され、その後に油槽所に移送されます。
油槽所のガソリンは、タンクローリーなどで各ガソリンスタンドに運ばれるのです。
油槽所からガソリンスタンドまでの距離が離れている場合、輸送費が高くなるため、ガソリンの価格も高くなります。
山間部や離島のガソリンが高いのは、輸送費が大きく関係しています。
また、ガソリンスタンドの店舗数が多いエリアは、そのぶん価格競争が激しいです。
近隣にある複数の店舗のなかから選んでもらうために、価格を下げて顧客獲得を目指す傾向にあります。
特に、油槽所から近いガソリンスタンドが多いエリアは、全国の平均価格よりも安いです。
セルフ式であれば人件費を削減できるため、有人店舗よりガソリン価格は安くなります。
なお、高速道路にあるガソリンスタンドは、一般道にある店舗よりも10円/L~30円/L高いです。
これは、高速道路にあるため輸送費がかかるうえ、競合店舗がなく、有人店舗が多いためです。
また、高速道路にある店舗は、給油以外の洗車や車検などの利益率が高いサービスの利用者が少ないので、営業を続けるためにガソリンの利益率を高くする傾向に。
資源エネルギー庁が10月29日に発表した「石油製品価格調査の結果」によると、10月27日の全国のレギュラーガソリン平均価格は173.5円/Lでした。
千葉県(170.2円/L)や宮城県(168.3円/L)などは県内に製油所があり、輸送コストを抑えられるため、全国平均よりも販売価格が安いです。
一方、長野県(179.4円/L)や鹿児島県(184.6円/L)などは、県内に製油所がなく、輸送コストが高いのでガソリンの価格も平均より高くなっています。
少しでも安く給油したい人は、セルフ式スタンドに行くことが多いと思いますが、隣県など少し遠くに行く予定がある場合、目的の近くにある店舗で給油したほうが節約できる可能性があります。
たとえば、東京都のガソリン平均価格は177.8円/Lですが、隣県の神奈川県は171.9円です。約6円の差があるため、50L給油すると約300円の差になります。
この差額をどう考えるかは人それぞれですが、少しでもガソリン代を節約したい方は、出先のガソリン価格を調べておくといいでしょう。
各店舗のガソリン販売価格はネットやアプリで調べられるので、給油する際は事前にチェックしておくのもおすすめです。
Writer: マツ
2022年からフリーのWEBライターとして活動開始。上場企業からの依頼で、SEO記事を中心にVOD・通信系(WiFi・光回線など)などのジャンルを執筆して経験を積む。現在も企業が運営する複数のメディアで記事を執筆。読者に役立つ内容を、わかりやすく執筆することを心掛けている。



















































