「急に眠気が…」なぜ運転中に眠くなる? 眠気を覚ますためにはどうしたらいい? 対処法を紹介!
クルマを運転しているとき、「あれ、急に眠気が…」と睡魔に襲われた経験がある人は少なくないでしょう。しっかり睡眠をとっているのにもかかわらず、運転中に眠くなるのはなぜなのでしょうか。
クルマを運転し始めると眠くなるメカニズムは?
クルマに乗る前は眠くなかったのに、運転し始めると眠くなる。そんな経験をしたことがある方は多いでしょう。
なぜ人は運転すると眠くなるのか。運転中に居眠りしてしまうと重大な事故に繋がる可能性があるため、眠くなる理由と、眠気を覚ます方法を知っておいたほうがいいでしょう。

クルマを運転しているときに眠くなる理由はいくつか考えられますが、真っ先に挙げられるのは走行中の音や振動です。クルマだけではなく、電車に乗ると眠くなる人も多いと思いますが、人は単調な音や振動が続くと眠くなりやすい傾向にあります。
日本機械学会誌に掲載されている木村仁教授の研究では、2Hz以下の低周波振動を多く含み、10〜20Hzの振動が少ない振動パターンは人の眠気を誘うということが分かっています。
クルマを運転しているときは低周波振動があるため、運転中に眠気に襲われるというわけです。
オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学の研究では、低周波振動が加わっているクルマを運転してから、わずか15分で眠気の兆候が表れたことも分かっています。
また、運転中に眠くなるのは眠気のリズムも関係しており、午後は眠気が生じやすい傾向にあります。
昼食後は眠くなりやすいため、トラックの運転手は昼食を食べないという方もいますが、国際交通安全学会の林光緒教授による論文「居眠り運転発生の生理的メカニズム」によると、昼食を取らなくても午後になると人は眠くなることが分かっています。
「睡眠不足が原因では?」と考える人もいるかと思いますが、しっかりと睡眠をとっていても午後になると眠くなることが明らかになっています。
眠くなったらどうすればいい? 対策方法を紹介!
では、運転中に眠くなったときはどうすればいいのでしょうか。
有効なのは“15分未満”の仮眠です。15分以上仮眠してしまうと起きたとき余計に眠く、逆効果になる可能性があるので注意してください。
仮眠前にコーヒーなどカフェインを摂取しておくと、目覚める頃にカフェインが効き始めてスッキリ起きられるのでおすすめです。
しかし、仮眠をとれる場所や時間がないという人もいるでしょう。そのような場合は、窓を開けて外気を浴びたり、冷房の温度を低めに設定して身体を冷やすのも有効です。
もしくは、大声で歌うのも効果的です。この際、できるだけ口を大きく開けて、顎や頬の筋肉を動かすのがポイントです。脳に刺激が伝わり、眠気を飛ばす効果が期待できます。
そのほか、限界まで息を止めて深呼吸することで、一気に脳へ酸素を送り、頭をすっきりさせる方法もあります。スルメやガムを噛んだり、同乗者と会話したりなど、眠気を防ぐ方法は色々あるので、自分に合う方法を探ってみるといいでしょう。
また、ひとつだけではなく、いくつかの方法を組み合わせるのも効果的です。
眠気を防ぐ方法はさまざまですが、まずは日頃から睡眠をしっかりとるようにしましょう。また、血糖値が急激に上昇すると眠くなるため、昼食は低糖質のものにして、血糖値の上昇を防ぐのも大切です。
健康上の問題で薬を飲む必要がある方は、医師に確認して眠くなりにくい薬を処方してもらうなどの対応も必要です。
最近は、スマホアプリと専用デバイスによる「居眠り運転防止ツール」もあります。カメラで運転者の表情やまばたきを監視してくれるもので、異常を検知するとアラームが鳴る仕組みです。
また、「ドライバーモニタリングシステム」という、走行中に運転者が一定時間以上目を閉じたり、顔の向きを前方から大きく外したりした際に、注意を促してくれる機能が備わっているクルマもあります。
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運転中、眠気は急に襲ってきます。警察庁交通局が公開している「令和4年における交通事故の発生状況について」によると、2万4061件の重傷事故のうち、286件は居眠り運転が原因です。
居眠り運転は安全運転義務違反に該当し、交通事故を起こした場合は違反点数2点が加算され、普通車の場合は反則金9000円が科されます。
居眠り運転は重大な事故につながる可能性が高く、自分だけではなく他人を巻き込んでしまう危険もあります。
そのため、運転中に眠気に襲われたときは無理せず、仮眠をとったり眠気を覚ます方法を取り入れたりしましょう。
【参考文献】
「乗り物の振動と眠気の関係」木村仁(日本機械学会誌 2009.9 Vol.112 No.1090)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmemag/112/1090/112_KJ00005652717/_pdf/-char/ja
「The effects of physical vibration on heart rate variability as a measure of drowsiness」N.Zhang, M.Fard, M.H.U.Bhuiyan, D.Verhagen, M.F.Azari, S.R.Robinson
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00140139.2018.1482373
「居眠り運転発生の生理的メカニズム」林光緒(国際交通安全学会誌 Vol.38 No.1)
https://www.iatss.or.jp/entry_img/38-1-06.pdf
Writer: マツ
2022年からフリーのWEBライターとして活動開始。上場企業からの依頼で、SEO記事を中心にVOD・通信系(WiFi・光回線など)などのジャンルを執筆して経験を積む。現在も企業が運営する複数のメディアで記事を執筆。読者に役立つ内容を、わかりやすく執筆することを心掛けている。





































