本当は緑色の信号機、なぜ日本だけ「青信号」? 海外はすべて「グリーン」と呼ぶのに…
日本で「青信号」と呼ばれている交通用信号灯は、海外では「緑信号」と呼ばれています。実際の色としても緑色なのですが、なぜ「青」と呼ばれるのでしょうか。かつては法令面でも「緑」だったのが、「青」に変わった経緯もあります。
当初は「緑」、戦後「青」に変わった呼び名
交通用信号灯の青は、実際には緑色なのに「なぜ”青”信号と呼ぶのか」という声があります。
日本における信号機の由来は、多くの県警がウェブサイトなどでも紹介しています。現在の車両用信号機の原型となるアメリカ製の電気式信号機が日本で初めて東京・日比谷に設置されたのは1935(昭和5)年のこと。この灯火の色は、赤、黄、緑の3色だったといいます。
このときには法令上の呼称も「緑色信号」だったそうですが、1947(昭和22)年、道路交通法の前身となる「道路交通取締法」の制定とともに、法令上も「青色」に変更されたのです。
「青」とされた背景については、信号機について紹介する新聞記事で緑色を「青」と記述されたためという説もありますが、いずれにしても緑色のものを「青」と呼ぶ日本人の風習もあり、実態に合わせる形で法令も変更されたといわれています。
実際に当時の国民は、そのように呼んでいたのでしょうか。日本でいう「青信号」は、世界的には「グリーンライト」「グリーンシグナル」などと呼ばれるように、やはり緑として認識されています。また、交通管理技術の研究開発を行う公益法人、日本交通管理技術協会(東京都新宿区)の資料によると、交通用信号機は戦前のうちから全国の主要都市に普及し、1941(昭和16)年の時点で警視庁管内には370か所あったそうです。信号の数も増えていったなかで、「青」と呼ばれることを疑問に思う余地はなかったのでしょうか。