人の“クルマをジロジロ”見ている? 勝手に写真も… 「謎の緑のおじさん」って何者? 意外に知らない正体と権限とは

市街地などで見かけることが多い、緑の制服を着たおじさん二人組。「あの緑色のおじさんって何者なの?」と思ったことがある方もいるでしょう。路上駐車しているクルマを見ていることが多いですが、あの人たちは何者なのでしょうか。

警察官ではないのに駐車違反を取り締まれる!? “緑のおじさん”の正体とは

 市街地などに現れる可能性が高い「緑のおじさん」。緑色の制服を着用して二人組で行動しており、場所によっては自転車で移動しながら路上駐車しているクルマをじろじろと見ています。

 この緑のおじさんたちは、何をしているのでしょうか。

緑色の制服を着用して二人組で行動する「緑のおじさん」の正体とは(画像はイメージ/photoAC)
緑色の制服を着用して二人組で行動する「緑のおじさん」の正体とは(画像はイメージ/photoAC)

 緑のおじさんは、市街地に止めてあるクルマの周囲を確認したり、写真を撮ったりします。

 最後には、持参している端末を操作してステッカーをフロントガラスなどに貼り付けて、再度クルマを撮影して立ち去ります。

 一見不審な行動にも思えますが、緑のおじさんは許可を得てこのような行動をしており、正式には「駐車監視員」と呼ばれる人です。

 駐車監視員は放置車両の監視を行い、市街地などの駐車違反車両を見つけるのが主な業務です。駐車違反しているクルマがあった場合、取り締まりを行います。

「取り締まりを行うってことは警察官なの?」と思う人もいるかもしれませんが、駐車監視員は警察官ではありません。

 一般的に、駐車違反の取り締まりを行うのは警察官の職務です。放置車両がある場合は、通報を受けたうえで警察官が該当車両の取り締まりを行います。

 しかし、首都圏の市街地などは放置車両が多く、警察官のみで対応することが難しいため、駐車監視員による巡回監視が行われているのです。

 駐車監視員は、警察署長から取締りの一部の委託を受けた法人に所属しています。警察官ではありませんが、講習や考査を受けたうえで公安委員会から「駐車監視員資格者証」が交付されています。

 制服は全国で統一されており、ペパーミントグリーンの上着、「駐車監視員」と書かれている腕章と帽子を着用しているのが駐車監視員です。

 なお、駐車監視員は各警察署が作成した「活動ガイドライン」に基づいて巡回監視を行っています。

 警察署長が、住民などの意見や交通事故の発生状況、日常の駐車の実態などを勘案して、指定した地域・路線を重点的に巡回し、放置車両の確認などの取り締まりを行うのです。

 周辺でイベントなどがある場合は、警察署長の指示に基づいて、指定した地域・路線以外で取り締まりを行う場合もあります。

 駐車監視員はどこに現れるか分からないと思っている人もいるかもしれません。しかし、実は各警察署のホームページには巡回を行う重点路線・地域が公開されています。

 神奈川県警察のホームページの場合、「駐車監視員活動ガイドラインマップ」で各警察署の重点路線・地域を確認することが可能です。

 駐車監視員が放置車両を見つけてから、「駐車違反確認標章」という黄色いステッカーを対象のクルマに貼り付けるまでの流れは以下の通りです。

ーーー
1.指定エリアを巡回
2.放置車両を発見したら車両番号や場所を撮影
3.携行している端末で違反データを入力して「駐車違反確認標章」を発行
4.対象車両のフロントガラスなどに貼り付ける
5.最後にもう一度対象車両を撮影
ーーー

 駐車監視員が行うのはここまでで、駐車違反の反則切符の作成や放置違反金などの徴収はしません。

 取り締まりが行われた放置車両の情報は、駐車監視員が携行している端末を通して、管轄している警察署に報告されます。

 放置車両として駐車違反確認標章が貼られた運転者は、警察署に出頭して反則金を納付しなければなりません。反則切符が切られるのは出頭したときです。

 運転者が出頭しない場合、車両の使用者に対して「放置違反金仮納付書」と「弁明通知書(弁明をしたいときの手続き及び仮納付に関するお知らせ)」が送付されるようになっています。

 放置違反金の納付命令を受けた際、督促の指定期限までに放置違反金を納付しなければ、道路交通法第51条の4第14項に基づいて、財産の差し押さえなど、強制的に放置違反金及び延滞金を徴収されるので注意しましょう。

 なお、駐車監視員は警察官ではありませんが、業務遂行中は「みなし公務員」として扱われます。

 そのため、駐車監視員に対して暴行や脅迫をして業務を妨害すると、公務執行妨害が適用されて逮捕される可能性があるので注意してください。

 また、駐車違反を見逃してもらうために駐車監視員に賄賂を渡した場合、収賄罪が成立するので逮捕されます。

※ ※ ※

 駐車違反の反則金は、違反した場所によって異なりますが、普通車の場合は1万~2万円です。

 安い金額ではないので、自分が取り締まられないためだけではなく、周囲の安全のためにも短時間であってもクルマを放置しないようにしましょう。

【画像】黄色い紙を貼る「緑のおじさん」の正体は?(17枚)

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Writer: マツ

2022年からフリーのWEBライターとして活動開始。上場企業からの依頼で、SEO記事を中心にVOD・通信系(WiFi・光回線など)などのジャンルを執筆して経験を積む。現在も企業が運営する複数のメディアで記事を執筆。読者に役立つ内容を、わかりやすく執筆することを心掛けている。

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