「少しだけなら…」路上駐車は何分までならOK? 数分停めただけで違反や重大な事故に繋がることも⁉

街中で見かけることの多い路上駐車。駐車禁止の場所でも「少しくらい大丈夫だろう」と思いクルマを停めて、その場を離れる人は少なくありません。このような場合、数分だけであれば違反とみなされないのでしょうか。

「駐車禁止」の場所は“数分”でも運転者がいないと「違法」になる!

 駐車禁止の表示や標識がある場所に、運転者不在のクルマが停められているのを見たことがある人は多いでしょう。

 駐車禁止の場所でも「少しくらい大丈夫だろう」と思いクルマを停めて、その場を離れる人は少なくありません。

 たとえば、駐車場がないコンビニに行きたい場合。店の前が駐車禁止の場所だったとしても、数分だけであれば違反にならないのでしょうか。

駐車禁止の場所では、運転者が不在だと数分でも違反に!(画像はイメージ/photoAC)
駐車禁止の場所では、運転者が不在だと数分でも違反に!(画像はイメージ/photoAC)

 道路交通法第2条第18項によると、「駐車」には2通りの意味があり、それぞれ以下のように定義されています。

「駐車 車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止(特定自動運行中の停止を除く。)をし、かつ、当該車両等の運転をする者(以下「運転者」という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。」

 上記を要約すると、クルマが客待ち、荷待ち、貨物の積卸し等の理由で停止し続けている状態は「駐車」になりますが、5分以内の貨物の積卸しや人の乗り降りの停止は除くということです。

 また、クルマを停止させて、運転者がクルマから離れた状態を「駐車」と定義しています。

 つまり、駐車が禁止されている場所にクルマを停めて運転者がその場を離れると、すぐに運転できる状態ではなくなるため、停車時間に関係なく道路交通法違反になる可能性が高いということになります。

 運転者が車内にいたとしても、人が乗り降りする目的以外で駐車禁止の場所に5分以上クルマを停めている場合は、取り締まりの対象になります。

 警察庁交通局の調査資料(「駐車対策の現状」令和6年11月)に記載されている、令和5年に実施した調査によると、東京都特別区における瞬間路上駐車台数は約4万4000台でした。

 令和4年よりも5.9%減少しているものの路上駐車は後を絶たず、駐車車両への衝突による交通事故は人身事故が690件、そのうち29件が死亡事故になっています。さらに、駐車車両が原因の人身事故は815件、そのうち7件が死亡事故です。

 路上駐車に関しては、国民の関心度も非常に高く、令和5年中の駐車問題に関する要望・苦情・相談の110番通報の件数は8万7600件にのぼりました。警察も違法駐車に対する取り締まりを強化しています。

 放置車両の確認事務については、全国414の警察署で54法人に委託(令和6年4月1日時点)。「緑のおじさん」とも呼ばれることが多い駐車監視員が、全国約1900人体制で巡回監視を行っています。

 なお、令和5年中の放置車両確認標章の取付件数は78万829件で、そのうち、50万7735件は駐車監視員によるものです。

 このように、路上駐車は警察だけではなく国民も問題視していますが、配送業の人は肩身の狭い思いをしていることでしょう。

 警視庁は「貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直し」を行っており、場所と時間帯を限定して駐車できる場所を設けています。

 貨物集配中の貨物車の場合、駐車禁止区間内でも「P」の表示がある道路標識の下に「貨物集配中の貨物車に限る」と記載がある場所においては、「貨物車専用」と表示された枠内に20分以内のみ駐車可能です。こういった駐車規制の見直しは、東京都などの首都圏を中心に推進されています。

「路上駐車OKの場所なら駐車違反にならないの?」と思う人もいるでしょうが、駐車時間や駐車方法によっては違反になる可能性があるので注意してください。

 道路交通法第47条第2項「停車又は駐車の方法」では、「車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。」と定められています。

「他の交通の妨害とならないようにしなければならない。」というのは、具体的には「車両の右側道路上に3.5m以上」の空きスペースがなければなりません。また、白線の路側帯がある道路に駐車する場合は、道路の左端から0.75m以上離す必要があります。

 そのほか、いわゆる青空駐車は「自動車の保管場所の確保等に関する法律」第11条で禁止されており、連続12時間以上、夜間は8時間以上駐車すると違法になるので注意しましょう。

「保管場所としての道路の使用の禁止等」にも以下のように記載されています。

ーーー
第十一条 何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない。
2 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一 自動車が道路上の同一の場所に引き続き十二時間以上駐車することとなるような行為
二 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為
3 前二項の規定は、政令で定める特別の用務を遂行するため必要がある場合その他政令で定める場合については、適用しない。
ーーー

 このように、路上駐車ができる場所であっても一定時間を超えると違法になるため、長時間の駐車は避けましょう。

※ ※ ※

 ここまで紹介してきたように、駐車禁止の場所にクルマを停めたとき、運転者が不在だと数分でも違反になります。

 また、駐車していい道路でも、ルールが定められているので注意しなければなりません。

 路上駐車は、渋滞や交通事故の原因になります。これはデータでもはっきりしているため、スムーズな交通と安全のためにも、面倒がらずにコインパーキングなどの駐車場に停めるようにしましょう。

【画像】ここは停めちゃダメ! これが意外な「駐停車禁止場所」です(13枚)

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Writer: マツ

2022年からフリーのWEBライターとして活動開始。上場企業からの依頼で、SEO記事を中心にVOD・通信系(WiFi・光回線など)などのジャンルを執筆して経験を積む。現在も企業が運営する複数のメディアで記事を執筆。読者に役立つ内容を、わかりやすく執筆することを心掛けている。

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