“300万円”台!? トヨタ新型「“最小”ランドクルーザー」発表! 全長4.5m級の「カクカクボディ」がイイ! 2.7リッター「直4」×6速AT搭載の「FJ」どんなクルマ
2025年10月21日、トヨタはた新型「ランドクルーザー“FJ”」を世界初公開ししました。どのようなモデルなのでしょうか。
最小のランドクルーザー!
2025年10月21日、多くのファンが待ち望んでいた、トヨタ「ランドクルーザーFJ」がついに世界初公開されました。これまで当サイトでも事前の予想を行ってきましたが、実車は想像以上に斬新なものでした。

2023年の「ランドクルーザー250」発表時に会場で流された映像の中に、“ナゾの1台”として映っていた小さなランクル。その時の映像の一部を使いながら、発表会はスタートします。
果たして登場したのは、コンセプトカー「コンパクトクルーザーEV」に似ているようであり、また異なる2台のクルマ。まず車名で驚かされたのが、「FJ」は“Freedom and Joy”の頭文字なんだとか。かつての「FJクルーザー」はFJ40のオマージュでしたが、今回の車名には250系以上に新たな価値観を提案するランクルという意味合いがあるようです。
ボディサイズは全長4575mm×全幅1855mm×全高1960mm、ホイールベース2580mm。シリーズの中ではもっとも小さいのですが、事前の予想でライバルと目されていたスズキ「ジムニーノマド」のボディ(3890mm×1645mm×1725mm)と比較するとかなり大きいことが分かります。
パワーユニットは250系と同じ2.7リッター「2TR-FE」型直列4気筒ガソリンエンジンを搭載。スペックも120kW(163PS)・246N・mと、まったく同数値。重量などは未発表ですが、ボディサイズから考えると250系よりも当然パワーに余裕があるのではないでしょうか。
トランスミッションは6速ATのみですが、世界的なニーズを考えれば当然と言えるかもしれません。
駆動方式は、250系とは異なるパートタイム4WD式を採用。インパネの写真で確認する限り、駆動切り替えは「ハイラックス」と同じロータリースイッチで行うタイプで、標準でリアディファレンシャルにロック機構が付いていることが分かります。それだけで高い悪路走破性を期待できます。
注目なのは最小回転値で、ノマド(5.7m)よりも小さい5.5m(250系は6m)を実現。わずか0.2mという数値ではありますが、細街路の多い日本においてはアドバンテージになりそうです。ユーティリティに余裕のありそうな5人乗り空間を実現していることを考えれば、十分な取り回しと言えるかもしれません。
シャシーは「ハイラックスチャンプ」と同じIMVシリーズプラットフォームのショート版が流用されているとのことで、写真を見る限りではリアサスペンションはコイルプリングのトレーリングリンク車軸式になっているようです。ちなみに、フロントはダブルウイッシュボーン式が踏襲されていると思われます。
IMVシリーズとシャシーを共有することに、一抹の不安を抱いているランクルファンがいるかもしれません。ただしIMVのシャシーは、コマーシャルカーとしての堅牢性や耐久性が十分確保されている上に、今回「どこにでも行けて、生きて帰ってこられるクルマ」ランドクルーザーに使うためにフレームなどを徹底的にブラッシュアップ。
その名にふさわしいものになっていると、開発陣は胸を張ります。床下に補強ブレースを追加して、オンロードでのシャープなハンドリングを目指したのも、その一環でしょう。
さてランドクルーザーFJのエクステリアデザイン、「角の取れた六面体(サイコロ)」をモチーフにしたとのこと。昨今のクロカン4WDでは、過去モデルに原点回帰したスクエアデザインが流行していますが、あえて角を丸くすることで周囲のモノへの緩衝を低減させることを目指しているようです。
マスクはどことなくハイラックスチャンプなどに似ていますが、より造形が複雑・立体的に。フロントグリル、オーバーライダー部などが六面体モチーフであることが分かります。
さらにボディの周囲を見てみると、フロントサイドパネル、ドアパネル、Cピラー、リアガラス、リアコンビネーションランプと至る所に六面体を見て取ることができます。こうした遊び心溢れるデザインは、従来のどのランドクルーザーにも見られないもので、まさに新世代の到来を感じさせます。
サプライズだったのは、250系同様にオプションで丸形ヘッドランプが設定されていることです。これを装着すると、かつての「FJクルーザー」とまではいかないまでも、“ランクルらしい”顔付きになります。購入時にこのライトを注文する人が多いのではないでしょうか。
リアビューはコンパクトクルーザーEVよりも洗練され、さらに未来的なもので登場しました。ドアパネルの端ギリギリまでブラックアウトガラスが張られ、オクタゴン形が目を惹きます。
バンパー内に配置された縦型照明もまた、ランクルとは思えない遊び心溢れた部分。一方でよく見ると、各部に歴代モデルのオマージュとも取れる意匠が散見できることが、ランドクルーザーFJのおもしろいところです。
ちなみに前後バンパーは250系同様に分割パネル式で、オフロードなどで傷を付けた場合に部分的な交換が可能です。
インパネ周りは、クロカン4WDではオーセンティックな直線デザイン。前方の見通しを良好にするだけでなく、オフロードで車両の傾きが直感的分かるようにという意図が見えます。スイッチ類のデザインはランドクルーザーシリーズ同様に、機能の属性ごとに位置を集約。シンプルながら、液晶メーターパネルや大型のモニターパネルなど現代的な機能も持っています。
一方で、歴代モデルのデザインヘリテイジも盛り込まれているようで、3本スポークのステアリングホイールや単眼メーター表示、メーターフードの形状、送風口などに懐かしい雰囲気を感じるランクルファンも多いのではないでしょうか。
リアシートは3人掛けで6:4分割式。ボディ剛性確保のためか、リアゲートの開口部は広いという印象は受けませんが、シート使用時の荷室空間はジムニーノマドよりも広いように感じます。
ランドクルーザーFJ、意匠登録出願のための線画からは地味な印象を受けましたが、実車は想像以上に洗練されており、またポップな雰囲気を併せ持ったクルマでした。発表会で2台の“仕様”が並べられていましたが、オプションを装着することで250系以上に雰囲気が変わる点がユーザー心を惹きつける気がします。
特に丸形ヘッドライト、シュノーケル(水中走行のための延長インテークパイプ)、フラットタイプルーフラックを付けることで、80年代のランドクルーザーを彷彿させるエクステリアにすることができます。現代的なランクルと伝統的なランクルの両方を、1台の所有で楽しむことができるわけです。
ランドクルーザーFJは、10月30日から開催される「ジャパンモビリティショー2025」で一般公開されます。発売は2026年中頃の予定。価格はスタンダードモデルで300万円台後半からと予想されており、日本ではまずまず手頃なボディサイズであることもあって、三たびの大ヒットが予想されます。































































