“10年以上”「無事故・無違反」で貰える「“栄誉”賞」があるってマジ!? 豪華バッジの「緑十字銅章」とは?
長年にわたり無事故無違反を続けることは、簡単なことではないかもしれません。そんな日々の運転において注意と配慮を欠かさず積み重ねた成果を「緑十字銅章」という形で表彰する制度があります。
「緑十字銅章」の位置づけと表彰の意義
クルマを運転する人にとって、無事故無違反を10年以上にわたり継続することは努力の結果でしょう。実は、そうした実績を社会的に認めるしくみがあるといいます。
それが、「緑十字銅章」と呼ばれる交通栄誉章制度です。

そもそも、交通栄誉章制度には金章・銀章・銅章の3種類が設けられており、それぞれ対象となる功績や条件に応じて授与されます。
金章と銀章については、毎年1月におこなわれる交通安全国民運動中央大会において表彰されます。
この大会は1961年から続く全国的な行事であり、交通事故防止への誓いを新たにするとともに、安全運転を続けてきた人々を社会全体でたたえる場として位置づけられています。
そして、交通栄誉章のなかでも「緑十字銅章」は他の表彰よりも対象が幅広く、重要な意味を持つ章とされています。
銅章の受章対象者は、「10年以上にわたり事故や違反を起こさず、安全運転を継続してきた人」です。
また、記録上違反がないというだけでなく、日常的に誠実で思いやりのある運転を実践しているかどうかも評価の対象になります。
つまり、人格や姿勢そのものが問われる点が、この章の大きな特色というわけです。
そして、緑十字銅章は、受章者の長年の努力を社会的に認知すると同時に、社会全体の交通安全意識を高めるきっかけとしても位置づけられています。
実際に、具体的な受章者数を見れば、その広がりを実感できます。
東京都交通安全協会が公表した2023年度の事業報告書によれば、同年度に「緑十字銅章」を受章したのは合計416人でした。
その内訳は、個人として交通安全の推進に長年貢献した「交通安全功労者」が55人、企業などで運転者の安全管理を模範的におこなった「優良安全運転管理者」が43人。
そして、長期間にわたり無事故・無違反の模範的運転を継続した「優良運転者」が318人です。
これらの数字からは、個人ドライバーだけでなく、管理者や学校、団体といった幅広い層に表彰が行き渡っていることがわかります。
このように、緑十字銅章は単なる表彰にとどまらず、安全運転を続けてきた人々の努力を社会全体で称える意義を持っています。
日々の小さな意識や気配りの積み重ねこそが、交通事故防止につながるという教訓を改めて示すものといえるでしょう。
今後もこの制度を通じて、安全運転の大切さが広く共有され、交通社会全体のモラル向上へとつながっていくことが期待されます。
※ ※ ※
緑十字銅章は、若い世代や組織単位での取り組みが評価されるため、交通安全教育の一環としても重要な意味を持っていると言えるでしょう。
無事故無違反を維持することは、自分自身の安全や生活を守るだけでなく、交通社会に対する大きな貢献でもあります。
積み重ねた記録が表彰という形で認められれば、自らの励みとなり、同時に周囲の人々の意識を高める契機にもなりえます。
そして、緑十字銅章は、その存在を知ること自体が安全運転を意識する一歩となるものです。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

























































