2025年9月2日、トヨタは「ノア」の一部改良をおこないました。

　今回の改良では、安全機能の拡充や装備体系の見直しが実施されています。では、最も価格を抑えた「X」グレードにはどのような特徴があるのでしょうか。

　ノアは、2001年に初代が登場したミニバンで、広い居住空間と使い勝手のよさを両立した設計により、長年にわたりファミリー層を中心に選ばれてきました。

　2022年に発売された4代目の現行モデルも、その特性を受け継ぎつつ、先進技術を取り入れることで多様な利用シーンに対応しています。

　ボディサイズは全長4695mm×全幅1730mm×全高1895mmで、ホイールベースは2850mmです。乗車定員は7名から8名で、家族での利用や多人数での移動にも対応可能です。

　さらに、エクステリアはシンプルかつ落ち着いた造形をベースに、グレードによって装飾の内容が変化。インテリアはシートアレンジや収納機能といった基本要素を備え、家族利用に適した3列シートが採用されています。

　また、パワートレインには2リッター直列4気筒エンジンを採用したガソリン仕様と、1.8リッター直列4気筒エンジンを組み合わせたハイブリッド仕様を用意。モーターの力を活かすことで静粛性にすぐれ、滑らかな加速を実現しています。

　最高出力はガソリン仕様が170馬力、ハイブリッド仕様はシステム全体で140馬力を発生。燃費性能についてはWLTCモードで23.0km／Lとされています。

　くわえて、先進安全装備には衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能を含む予防安全機能が全車に標準装備されています。

　今回の改良では、衝突回避支援ブレーキの検知精度が向上し、交差点での歩行者や自転車への対応を強化しました。

　さらに「アドバンストパーク」に前向き駐車や出庫機能を追加するなど、安全支援がより充実しています。

　あわせて、装備やカラーの見直しもおこなわれ、安心性と利便性が高められました。

　そして、ノアにはハイブリッド仕様とガソリン仕様があり、複数のグレードが設定されています。

　中でも、もっとも価格を抑えたグレードがガソリン仕様の「X」です。

　Xグレードの価格（消費税込、以下同）は2WDが283万300円、4WDが302万8300円からと設定されています。

　上級グレードと比較すると、「S-Z」は2WDが357万9400円、4WDが377万7400円からで、いずれもXとは74万9100円の差があります。

　そのため、Xグレードはエントリーモデルとして、購入時の負担を抑えたいユーザーに向けた選択肢といえます。

　一方、エクステリアはメッキや専用エアロパーツなどを省き、加飾を抑えたシンプルな仕上げとなっており、上級モデルとの差別化が図られています。

　また、インテリアも同様に、上位グレードに用意されている利便性の高い機能や装飾的な要素は限定的であり、シートアレンジや収納についても基本的な内容にとどまります。

　Xグレードは利便性を追求した仕様ではないものの、3列シートを備えた広さは確保されており、ファミリー用途に十分対応できる設計といえるでしょう。

　なお、上位グレードでは電動スライドドアや高度な快適装備が充実していますが、Xグレードではそれらを必要最小限に絞り込み、コストを抑えています。