339万円!リッター「22km」走る新型「“輸入”コンパクトSUV」登場! 全長4m級ボディ採用&1.2リッターターボエンジン搭載のシトロエン「新型C3」を試す

街中でも体感できる“EV感覚”の走りに迫る

 それでは、試乗を始めます。乗り込んで近年では珍しいイグニッションキーをひねり、スタートの準備。ところが、暖気が済んでいるはずなのにエンジンがアイドリングストップしません。

 いろいろと試すと、エアコンをマニュアルモードにしたままだとエンジンはかかったままになるようです。

全長4015mm×全幅1755mm×全高1590mmと拡大したボディサイズでSUVらしさを強調
全長4015mm×全幅1755mm×全高1590mmと拡大したボディサイズでSUVらしさを強調

 エアコンをオートモードにすると、エンジンはアイドリングストップ状態になる場面が増えます。セレクターをDレンジにしてブレーキを放すと、モーター走行を開始。緩加速なら、20km/hくらいまでその状態を維持します。

 ただ、市街地で周囲の流れに合わせて加速すると、エンジンがすぐに始動。それでも、モーターとの連携は洗練されているので気になりません。むしろ、6速DCTの制御の方がスムーズさの物足りなさを感じることが稀にあります。

 走行中にアクセルを戻すと、エンジンが停止する場面があります。そして、少しだけアクセルを踏むと40km/hくらいまではモーター走行に移ることも。その際のEV感覚は、これまでのMHVでは得られないウレしい体験になります。

 さらに、モーターがエンジンをアシストする場面はMHVよりも多めです。101馬力を発揮するエンジンに20馬力を得るモーターの威力が上乗せされシステム最大出力110馬力に達するため、BセグメントのSUVとして加速の力強さはなかなかのもの。

 エンジンは直列3気筒なので乾いた音を発しますが、騒がしさが気になることがなく吹け上がりもスムーズです。

 ただ、リチウムイオンバッテリーの容量は0.9kWhなのでモーターの出番が多くなるとモニター上の充電量は見る間に減っていきます。ですが、逆に減速時のエネルギー回生が繰り返される場面では見る間に充電量が増えていきます。

 いずれにしろ、燃費の面(CO2の削減でも)ではMHEVの実力は絶大です。同型エンジンを積む従来型「C3」のWLTCモード燃費は17.2km/L、モーターを組み合わせる新型は22.3km/Lですからメリットは十分以上といえます。

 C3ハイブリッドは、新開発のスマートカー プラットフォームをステランティスでは初採用しています。ボディの剛性感が高く、ザラついた路面を通過する際に聞こえるゴーッというロードノイズを抑制。

今回の試乗車は364万円の上級グレード「C3 MAX HYBRID」
今回の試乗車は364万円の上級グレード「C3 MAX HYBRID」

 BセグメントのSUVでは、最高レベルと静粛性を実現しています。ステアリングの切れやサスペンションの動きがスムーズで、コーナリング中のロールはやや大きめ。そこがまた、シトロエンらしい乗り味になります。

 乗り心地も快適であり、荒れた路面を通過してもフロアに余計な振動が残らず走りも上質なことがC3の魅力といえます。

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 価格(消費税込)は「C3プラス ハイブリッド」が339万円、「C3マックス ハイブリッド」は364万円です。

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Writer: 萩原秀輝

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。在学中からフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、同時期にツーリングカー・レースにも参戦。豊富なクルマの知識とドライビング理論を活かし、自動車メーカーなどが主催する安全運転教育の講師を数多く務めた経験を持つ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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