トヨタは2025年5月21日、新型「RAV4」を世界初公開しました。6代目となる新型RAV4は、日本国内では2025年度内の発売が予定されています。

　7年ぶりのフルモデルチェンジで登場する新型RAV4は、一体どのようなSUVになるのでしょうか。

　初代RAV4がデビューしたのは1994年。当時はまだSUVという言葉はなく、RV（Recreational Vehicle）と呼ばれていました。

　RAV4のようなクルマが登場する以前の4WD車は「クロカン」と呼ばれていたのですが、高い走破性は持つものの、オフロード走行を念頭に堅牢につくられており、オンロードでの乗り味は乗用車とは異なるものでした。

　そこで、オンロードでも気軽に乗れる4WDのRVとして登場したのが初代RAV4です。

　その後、2代目、3代目とフルモデルチェンジを繰り返し、4代目は日本国内での販売が見送られましたが、2019年に発売された5代目はふたたび国内で販売されるようになりました。

　今回発表された新型モデル（6代目）は、これまでのRAV4のイメージを踏襲しつつ、現代のトヨタらしさを表現しています。

　その特徴のひとつが「ハンマーヘッド」。現行型の「プリウス」や「クラウン」シリーズでお馴染みのハンマーヘッド（サメ顔）が新型RAV4にも採用され、ワイルドかつ精悍なデザインへと刷新されました。

「Life is an Adventure」をテーマとした新型モデルのエクステリアのポイントは3つ。「Big Foot（大径タイヤを強調）」「Lift-up（高い走破性を想起）」「Utility（使いやすい荷室空間）」によって、「どこへでも行けそう」というRAV4のイメージを演出しています。

　そのうえで、新型RAV4は異なるエクステリアをもつ3タイプが用意されます。

「CORE（コア）」は、SUVらしいスタイルを保ちつつ、都市の景観に溶け込むスタイリッシュさが特徴、「ADVENTURE（アドベンチャー）」はラギッド感（無骨さ）のある力強いデザインで、「Life is an Adventure」のコンセプトを色濃く表現しています。

　SUVながら走りを追求した「GRスポーツ」は、スポーティなデザインに加えて足回りやボディを専用チューニングし、走る喜びを体感できます。

　一方、インテリアは「アイランドアーキテクチャー」のコンセプトを採用。ディスプレイやシフトなど、さまざまなパーツを島のようにまとめて配置し、手が届きやすく操作しやすい環境を構築しました。

　また、インストルメントパネルは水平基調とし、オフロード走行時にも平衡感覚を掴みやすくしています。

　加えて、ラゲッジスペースは従来モデルから16リットル拡大して749リットルを確保しており、遊びに必要なギアもたくさん載せられるようになりました。

　パワーユニットはPHEV（プラグインハイブリッド）とHEV（ハイブリッド）を用意。PHEVはフロントアクスルにシリコンカーバイド（SiC＝炭化ケイ素）のパワー半導体を採用。これにより、小型高効率を実現し、EV航続距離を従来の95kmから150kmに延ばしました。

　また、V2H（Vehicle to Home）にも対応しているため、停電時や災害時には自宅に電力を供給することも可能です。

　HEVはパワーコントロールユニットや走行用バッテリーなどの改良により、モーター出力を向上させました。それにより、滑らかな加速とダイレクト感のあるレスポンスを実現しています。

　ソフトウェア開発においては、ウーブン・バイ・トヨタで開発を進めているソフトウェアづくりプラットフォーム「Arene」を初採用。従来は車種ごとに個別構築していたソフトウェアを、統一された方法で効率的に開発できます。

　また、Areneによって開発されたソフトウェアは、許可を得たドライバーの走行データを利用して改善するだけでなく、OTA（Over the Air）によるソフトウェアアップデートにも対応しています。

　トヨタにとって新型RAV4は、SDV（Software Defined Vehicle）の開発を加速させる1台となるでしょう。

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　昨今の新型車両には最新のテクノロジーが組み込まれるのが当然で、SUVであるRAV4も例外ではありません。

　高い視点による余裕のある運転姿勢や悪路走破性はもちろんのこと、それ以外の価値が、現代のSUVには求められるのかもしれません。