なぜ免許センターは「わざと?」と思うほど遠いのか? 知られざる立地のウラ事情、郊外にある納得の理由とは
なぜ運転免許センターは、交通の便が悪い場所にある?
ではなぜ運転免許センターは、交通不便な場所にばかり設置されるのでしょうか。 では、なぜ運転免許センターは、これほどまでに交通の便が悪い場所に建てられるのでしょうか。
そこには、施設の役割に起因する、いたって合理的な理由が存在します。
過去に取材した警察関係者によると、最大の理由は「技能試験を実施するための広大な敷地が必要だから」です。
多くの人は、指定自動車教習所を卒業して免許センターでは学科試験のみを受験するため、その存在をあまり意識することはありません。
しかし、教習所に通わずに直接試験を受ける、いわゆる「一発試験」の受験者などのために、免許センターには実際の道路交通を模した大規模な試験用コースが併設されているのです。
この試験コースは、信号機や交差点、坂道、S字クランク、方向転換のスペースなどを備える必要があり、施設全体ではかなりの面積を要します。
これほどの広大な土地を、地価の高い都市部や駅の近くで確保することは、予算の制約上きわめて困難です。
結果として、地価が比較的安価な郊外のエリアが建設地として選ばれることになるのです。

とはいえ、利用者の不便さが放置されているわけではありません。
近年、こうした問題を解消するための一つの答えとして、主要な駅の近くなどに「免許更新センター」を別途設置する動きが広がっています。
これは、技能試験コースを持たない、よりコンパクトな施設で、主に免許の更新手続きに特化しています。
東京都では、都心部の神田や新宿に設置されており、鉄道でのアクセスが格段に向上しました。
また、最寄りの警察署で更新手続きを行うことも可能です。
ただし、これらの便利な選択肢には注意点もあります。
更新センターや警察署での手続きは、違反のない「優良運転者」に限られる場合が多いほか、新しい免許証が即日交付されず、後日郵送になることも珍しくありません。
運転免許センターの不便な立地には、施設の機能上やむを得ない事情がありました。
しかし、利用者の利便性を向上させるための取り組みも着実に進んでいます。
自身の状況に合わせて、最適な手続きの方法を選択することが重要と言えるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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