新車たった「114万円」! スズキ「新“軽セダン”」に注目! 「リッター28km」も走る「超安いお値打ち仕様」は十分? 新顔採用で精悍になった「新アルト」 最安モデルの中身は?
最廉価グレードなら約114万円で購入可能なスズキ「アルト」。価格重視の廉価グレードでも満足できる内容なのでしょうか。
約114万円の最廉価グレードでも満足できる?スズキ「アルト」
スズキは2025年7月22日、エントリー軽コンパクト「アルト」の一部仕様変更を行い、発売しました。
このうち、最廉価モデルはわずか114万2900円(消費税込)という価格になっています。果たしてどのような内容なのでしょうか。

1979年に登場したスズキ「アルト」は、手頃な価格と実用性の高さからたくさんの人に支持されるロングセラー車種です。
現行モデルは2021年12月に登場した9代目で、歴代初のマイルドハイブリッド搭載車が追加されています。
現在販売中のモデルは2025年7月に一部仕様変更が行われたもので、デザインも上質な印象に刷新されています。フロントマスクには新形状の「メッキフロントバンパーガーニッシュ」を採用。柔らかさと上質さが感じられる雰囲気となりました。
リアにもルーフエンドスポイラーが追加装備され、空力性能も向上しています。マイルドハイブリッド車では28.2km/L(WLTCモード)の燃費性能を実現。高い経済性も魅力といえるでしょう。
ボディカラーも新しい設定となり、モノトーンには「テラコッタピンクメタリック」を追加。2トーンではルーフカラーがホワイトからソフトベージュに変更され、ブラックのルーフも選択できるようになりました。
グレードラインナップは、ガソリンエンジンの廉価モデル「A」と上級モデルの「L」、そしてマイルドハイブリッド搭載の「ハイブリッドS」と最上級モデルの「ハイブリッド X」となっています。
すべてのグレードで2WDと4WDの駆動方式から選択可能です。
最廉価グレードなら約114万円で購入できる価格設定は大きな魅力といえます。いっぽう「マイルドハイブリッド」が搭載された最上級グレードは約164万円。エントリークラスの車種としては、約50万円はなかなかの価格差といえます。
この価格差は主に装備面の違いといえますが、どのグレードを選ぶかは悩むところです。
最廉価グレードを選んで後で装備を追加する場合と、最初から装備充実の上級グレードを選ぶ場合、どちらがお得だといえるのでしょうか。
まずグレードによる価格の違いは、マイルドハイブリッドの有無というパワーユニットや装備の違いによる部分が大きいでしょう。
しかし現行アルトでは、すべてのグレードに「スズキ セーフティ サポート」を装備し、「衝突被害軽減ブレーキ」には夜間での歩行者も検知できるステレオ(デュアル)カメラ方式も採用しています。
「誤発進抑制機能」や「車線逸脱警報」、「ふらつき警報」など、最新の予防安全技術も最廉価グレードに搭載しています。
110万円台という最廉価グレードの安価な価格設定は、その他の装備面を必要最低限のシンプルなものに絞ることで実現。
簡素なスチールホイールやフロントだけのパワーウインドウ、ヘッドライトはハロゲンなど、最廉価グレードらしいシンプルな装備となっており、ボディカラーも3色のみの設定です。
しかしオーディオについては他のグレードもほぼオーディオレスで、最廉価グレードだけの設定ではありません。エアコンについても、中には容易なマニュアル式を好むユーザーもいるはずです。
決して最廉価グレードだけ極端にチープな設定になっている訳ではありません。
ちなみに最上級グレードのハイブリッドXでは、エクステリアや装備は価格なりに充実しています。
パワーウインドウはすべての窓に装備され、LEDヘッドライトやカラードドアミラー&ドアハンドル、フルオートエアコンを標準装備。
オプションですが「全方位モニター付きディスプレイオーディオ」も選択可能となっており、足回りにも14インチアルミホイールが採用される豪華な装備となっています。
「予算さえ許せばハイブリッドXが欲しかったです。やっぱり快適装備が充実していたほうが満足度も高いでしょうし」。
そう話すのは、アルトオーナーのひとりであるSさん(40代女性)。
オプション装備の「全方位モニター用カメラパッケージ」なら、駐車もさらに簡単だったであろうとの感想です。
後で安価に追加できる機能ではないだけに、購入時に悩むポイントとなってくるでしょう。
最廉価グレードにオプション装備を増やしていくと、結局上位グレードよりも購入価格が高くなってしまうケースも考えられます。
安価な価格設定は大きな魅力ですが、後から追加できない装備(キーレスエントリーやヘッドアップディスプレイ、ステアリングオーディオスイッチ)も多く、装備が充実した上級グレードを選んだほうが満足度は高いのかもしれません。
自分がクルマを使用するときに何を重視するのか、よく考えてからグレード選びしたいところです。
Writer: TARA
トヨタ自動車のある愛知県在住。学生時代にクルマやバイクに魅了される。大手オイルメーカーに就職し、自らもモータースポーツに参戦開始。その後は鈴鹿サーキットで勤務しつつ、カートレースやバイクレースを経験。エンジンやサスペンション、タイヤや空力などの本格的な知識を得る。現在はプライベートでさまざまなクルマやバイクに触れながら、兼業ライターとして執筆活動に勤しむ。現在の愛車はトヨタ ヴォクシー/ホンダ N-BOX。


























































