どんなトコロでも走れちゃう!? 三菱 新型「デリカミニ」がスゴすぎた! 軽だけど“三菱SUVの末っ子”!? オンロードもオフロードもイケる頼もしさを試乗で実感

凝縮された“三菱DNA”を実感するオフロードでの走り

 続いて、オフロードを走ります。デリカミニにはエンジンレスポンス、CVT制御マップ、ASC、TCLレスポンス、ブレーキLSDレスポンスを走行シーンや嗜好に合わせて最適化するドライブモードが設定されています。

 FFモデルはECO/ノーマル/パワーの3つですが、4WDモデルはこれにグラベル/スノーを加えた5つです。このグラベル/スノーは三菱独自の制御となっており、グラベルは「トラクション重視」、スノーは「安定性重視」の制御となっています。今回はグラベルモードを選択しました。

 テストコース内のダートはフレーム付の本格SUVのテストで使われているので路面は凹凸の連続で波状路もあります。デリカミニは「悪路走破性を備える」と言いつつも気軽にアウトドアを楽しむ入門編モデルなので、「さすがに厳しいのでは?」と思うも、開発陣は「どうぞ、どうぞ」とニコニコ笑顔。

「デリカミニ」のドライブモードは5つ!

 最初はビビりながら走らせましたが、車体剛性の高さ(ボディはミシリとも言わない堅牢性)と乗り心地の良さ(路面に敷かれた石が丸く感じるほど)にビックリ。ここは競合車も比較で走らせてみましたが、デリカミニは入力をサスペンションだけで吸収しているのに対して競合車は入力が足回りで吸収できずボディにまで伝わりインパネまでブルブル震える始末。「このまま走り続けると壊れてしまうかも!?」と思うくらいの差でした。

 更にフラットダートではスラロームを試してみましたが、オンロードと基本的には印象は同じですが、滑りやすい路面にも関わらず「良く曲がるな」と感心するばかり。4WDシステムはシンプルなビスカス式ですが、ASCやブレーキLSDとの協調などは三菱のAWC(オールホイールコントロール)の思想がフィードバックされているのは言うまでもないでしょう。

 グラベルモードはTCL介入少なめ、ブレーキLSD介入多めの制御ですが、僅かにカウンターステアを当てつつ…と軽スーパーハイトワゴンとは思えないいい姿勢での旋回に、「三菱DNA、凝縮されているな」と。

 後日、静岡県富士宮市にある「ふもっとぱら」に設けられた特設オフロードコースも走らせた時にグラベルモードのありがたみを実感。登坂で片輪が浮くような不正路面の坂道発進でノーマルモードはアクセルをかなり踏み込まないと脱出できないのに対して、グラベルモードはアクセルを軽く踏むだけで楽々脱出可能でした。

三菱 新型「デリカミニ」。グラベルも問題なしの走り!

 また、下り坂でHDC(ヒルディセントコントロール:ブレーキペダルを踏まずに一定の低速を維持、安全な降坂走行をサポート)を試してみましたが、制御が緻密な上に作動音も気にならず。この時カメラ機能(3Dマルチアラウンドモニター、ノーズパノラマビュー、フロントアンダービュー)を活用すると、更に安心して走れるはずです。

 ちなみにHDCはオフロード用と思われがちですが、DだけでなくR(リバース)やN(ニュートラル)でも作動(実は三菱SUVのデフォルト)するので、日常(急坂での前進/後退など)でも活用できると思います。

※ ※ ※

 総じて言うと軽スーパーハイトワゴンながらも「三菱SUVの末っ子」と呼びたくなる骨太さを持つ1台です。もっと言ってしまうと、SUV“風” の競合他車とは「似て非なるモノ」だと言うことです。

 中には「軽自動車にそんな性能は必要ない」と言う人もいると思いますが、筆者(山本シンヤ)はこの過剰な性能こそが三菱らしさ…安心・安全・快適に繋がる大きな要因だと考えています。それは「ランエボ(ランサーエボリューション)」「パジェロ」「デリカ」「トライトン」…歴代三菱車を見ると明らかでしょう。

 確かに価格は軽自動車にしては高めの設定ですが、個人的には「競合車と比べて」や「消去法」ではなく、思わず「指名買い」したくなる唯一の軽スーパーハイトワゴンだと思っています。

さらにパワーアップ! 三菱 新型「デリカミニ」の画像を見る(30枚以上)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

1 2

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー