新車189万円! トヨタの「激安プリウス」がスゴい! リッター「約30キロ」走る「超コスパ」モデル!? 驚異の「大衆車価格」を実現した理由とは

高コスパモデルでライバル車をノックアウト!?

 ビジネスモデルとはいえ、もちろん個人で購入もできたプリウスEX。

 装備が簡略化されたとはいえ、元々豪華すぎた2代目プリウスから無駄なモノをそぎ落としただけで、必要十分以上の装備は揃っていました。

今見ても十分斬新に映る2代目「プリウス」のサイドビュー[画像は通常モデル]
今見ても十分斬新に映る2代目「プリウス」のサイドビュー[画像は通常モデル]

 電動インバーターエアコン(湿度センサー付き)やワイヤレスドアロックリモートコントロール(アンサーバック機能付、リモートコントロールキー2個)、プッシュボタンスタートを標準装備。盗難防止装置のイモビライザーも付いています。

 メーカーオプションとして、SRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグやHDDナビゲーションシステム(CD・MD・AM/FM・アナログTV・サウンドライブラリー・6スピーカー)、バックモニターが選択可能で、ビジネスモデルといいながらも、こうしたメーカーオプションを搭載すれば、これまで販売されていた2代目プリウスと何ら遜色ありません。

 こうした戦略的なモデルのプリウスEXが登場した背景には、ライバル車の影響が大きかったのでしょう。

 3代目プリウスと同時期に販売されており、実質的なライバルとなっていたのが、ホンダの「インサイト」です。

 2代目インサイトは2009年2月に登場しており、プリウスよりも大幅に安い車両本体価格で販売をスタートします。

 ベースグレードの価格は何と189万円。プリウスEXとピッタリ同じなのです。

 ハイブリッドカーの性能としては、プリウスに少し遅れを取っていたインサイトですが、価格の安さで攻勢へ出たところに、プリウスは新型へモデルチェンジし、さらにEXグレードを追加して、インサイトと同じ値段の189万円で販売をスタートしました。

 これにより、インサイトへ流れる可能性があったハイブリッド志向のユーザーを、プリウスEXは引き留める事ができたのです。

 当時、ハイブリッドカーは「良いモノだけど高い」といわれていましたが、プリウスEXの存在でトヨタのハイブリッドは現在に通じる「身近な存在」になることが出来たのです。

※ ※ ※

 2012年までの約3年間限定で販売されていたプリウスEX。

 ハイブリッドを国民的なクルマにした3代目プリウスの陰には、功労車ともいえるコストパフォーマンスに優れたもうひとつのプリウスが存在していたのでした。

【画像】超カッコいい! これが高コスパなトヨタの「プリウス」です! 画像で見る(30枚以上)

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Writer: 赤羽馬

金融業・自動車ディーラー営業マンを経て、ライターとして独立。幼少期からの自動車カタログ収集癖あり。エンドユーザーに役立つ話や経済・金融とクルマに関する情報を発信中。

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