スズキ斬新「ハスラー“クーペ”」ってどんなクルマ? 悪路も走れる「大径タイヤ」×流麗ボディ採用! 「専用デザイン」がもり沢山でカッコイイ「軽SUV」に再注目!
スズキは2013年の東京モーターショーにて、軽クロスオーバー「ハスラー」をベースとしたクーペ風のコンセプトカーを出展しました。一体どんなクルマだったのでしょうか。
大径タイヤ×流麗ボディの軽SUVとは?
スズキ「ハスラー」の現行型は、2020年のモデルチェンジによって登場した2代目。登場以来、軽クロスオーバーとして好調な販売実績を維持しています。
全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が公表する「軽四輪車通称名別新車販売確報(新車販売ランキング)」によると、2025年7月の販売台数は7215台を記録し、ハスラーは第5位にランクインしました。
そんななか、スズキは2013年に初代ハスラーをベースとしたコンセプトカーを発表しています。
初代にも現行型にも設定されていない、2ドアクーペ風のスタイルを採用したモデルでした。
一体どのようなクルマだったのでしょうか。

2013年秋に開催された「第43回東京モーターショー」でスズキが出展したコンセプトカーが「ハスラークーペ」です。
翌2014年1月に発売された初代ハスラーなどとともに展示されました。
初代ハスラーは「アクティブなライフスタイルに似合う軽クロスオーバー」をコンセプトに掲げ、アウトドア志向のユーザーを中心に開発された軽自動車です。
そのデザインバリエーションを広げるモデルとしいて、ハスラークーペは展示されました。
ハスラークーペのボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1630mm、ホイールベースは2425mm。全高は標準仕様のハスラーより35mm低く設計され、クーペ風の個性的なシルエットを実現。
外観は初代ハスラーのタフな雰囲気を受け継ぎながら、随所に専用デザインを採用。
フロントまわりはブラック塗装のバンパーガーニッシュや「HUSTLER」のアルファベットエンブレムを装着し、当時の初代ハスラーにはない特徴を備えています。
展示車両はレッドのボディカラーにホワイトルーフを組み合わせた2トーン仕様。
後方にかけてルーフラインを絞り込み、2ドアクーペを思わせるスタイリッシュなフォルムを演出しました。
リアの大型スポイラーはルーフ同色で統一感を持たせ、足元にはレッド加飾を施したアルミホイールと大径タイヤを組み合わせ、「悪路も走れるクーペSUV」という独自の個性を表現しています。
完成度の高い仕上がりを見せたハスラークーペでしたが、市販化されることはありませんでした。
なお、その後2020年に登場した2代目ハスラーにもクーペスタイルは採用されず、初代のコンセプトを継承した角ばったボクシースタイルを維持しました。
一方、ハスラークーペに近い発想を持つ軽自動車としては、ホンダ「N-BOXスラッシュ」が挙げられます。
2014年に登場したN-BOXスラッシュは、軽ハイトールワゴン「N-BOX」をベースにスライドドアを廃したモデルで、2020年に販売を終了しました。
2017年にN-BOXが2代目へ進化した後も従来型のまま継続販売され、モデルチェンジを経ることなくラインナップから姿を消しています。
軽自動車市場においては実用性が最優先される傾向が強く、デザイン性を前面に押し出したクーペスタイルはやや挑戦的な試みだったといえるでしょう。
※ ※ ※
なお、スズキは2013年の東京モーターショーでハスラークーペを披露してから約1年後の2015年1月、「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」受賞を記念した特別仕様車「Jスタイル」を追加しました。
JスタイルはフロントグリルにHUSTLERエンブレムをあしらい、レッド・カーキ・ブラックの3色にホワイトルーフを組み合わせた2トーンカラーを設定。
コンセプトモデルであるハスラークーペのデザイン要素の一部は、このJスタイルに受け継がれたといってもよいでしょう。
Writer: 山城颯太
理系国立大学を卒業後、自動車メディアを中心にフリーランスのライターとして活動中。TOEIC 925点。クルマから電車、飛行機まで乗り物大好き。主に新型車のグレードに焦点を当てたモデル紹介、海外車の執筆などを担当。


































