古いクルマの「自動車税」“割り増し”に国民ブチギレ!? 最大で「約13万円」の税額も! もはや「旧車イジメ…」なぜクルマを大切に維持したら“増税”なの?
クルマを所有していると毎年支払わなければならない「自動車税」。なぜ古いクルマを所有していると高い税金を払わなければならないのでしょうか。
古いクルマの「自動車税」“割り増し”に国民ブチギレ!?
クルマを所有していると毎年支払わなければならない「自動車税」。
これは初度登録から13年が経過すると税額が大きくなる制度設計となっていますが、なぜ古いクルマを所有していると高い税金を払わなければならないのでしょうか。
クルマを大切に長く乗るオーナーにとっては不満であろうこの制度の理由について、解説します。

自動車税(軽自動車は「軽自動車税」)は、4月1日時点でクルマを所有している人が納めなければならない地方税です。
税額はエンジンの排気量によって異なり、軽自動車であれば1万800円、1リッター以下の登録自動車は2万5000円、最高額は6リッター超の11万円とし、500ccアップするごとに税額が増える仕組みとなっています。
上記の税額は2019年10月1日以降に登録されたクルマに適用されるもので、2019年9月30日以前に登録されたクルマの場合は、1リッター以下で2万9500円、6リッター超が11万1000円と、やや高い額を支払わなければなりません。
そしてこのルールを基本としつつ、環境負荷の少ない車両には税額の割引が適用される「環境性能割」制度が導入されているほか、2026年3月31日までの期間限定で、環境にやさしいクルマへの買い替えを促すために「グリーン化特例」という減税も実施されています。
減税の例としては、1.5リッター以下のハイブリッド車であれば、通常の3万500円が1万5500円と、かなり安くなります。
このように、現在の自動車税は環境負荷の少ないクルマほど優遇を受けており、逆に13年以上経過した古いクルマは環境への負担が大きいとみなされて、税額が上乗せされているというわけです。
もっとも高い例でいうと、初度登録から13年が経過した6リッター超のクルマの場合、自動車税は12万7600円。つまり2019年10月1日以降に登録された同排気量のクルマより1万7600円も高くなるのです。
この“旧車いじめ”とも取れる現在の税制については、「クルマを長く乗り続けるのもエコ」「大切に乗っている人ほど税負担が大きくなるのはおかしい」といった批判的な声が常に上がっています。
さらに、「自動車にまつわる税金が高すぎる」「普通自動車にかかる税金が多すぎませんか。クルマは贅沢品ではなく生活必需品です」といったように、自動車税以外にも消費税や重量税といった税金が多く重なっていることについて、疑問を投げかける意見も出ているのが現状です。
なお、ハイブリッド車、電気自動車(BEV)、燃料電池自動車(FCEV)、天然ガス自動車、メタノール自動車、一般乗合バス、被けん引車は13年が経過しても自動車税が増額されることはありません。
また、「重量税」も初度登録から13年経過したクルマは税額が上乗せされ、18年が経過したクルマはさらに上乗せされるという2段階の加算方式を採用しており、クルマを長く所有していることで負担が増えるのは、自動車税だけではないのです。
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このように現在の自動車税は、環境負荷の少ないクルマほど優遇を受けられる一方、13年以上経過した古いクルマは環境への負担が大きいとみなされるため、高い税金を払わなければなりません。
しかし排気量によっては1万7600円も高くなってしまうため、「あまりにも不公平だ!」とユーザーからは批判的な意見が多く上がっており、税制の改正が求められているのです。
Writer: パワーボム
関西大学社会学部卒業後、某CS放送局運営のメディアにてライターとしてのキャリアをスタート。自動車ブログの立ち上げから携わり、主にトヨタ車やレクサス車、キャンピングカーを中心に取材記事を多数執筆する。


























