クルマにかぶせる「ボディカバー」本当に必要? 愛車を汚れから守るアイテムだけど逆に傷つけることも!? メリット・デメリットとは?
雨やホコリだけでなく、夏の強い紫外線からもクルマのボディを守る「ボディカバー」。しかし脱着を繰り返すことで細かい擦り傷も増えるという“否定派”もいます。上手な活用法はあるのでしょうか。
「ボディカバー」のメリット・デメリットとは?
雨や飛来するホコリなどからクルマのボディを守る「ボディカバー」。最近では夏の強い紫外線による色褪せを抑制する目的で使用されたりもします。
しかし、脱着を繰り返すことで、本来ボディを守るはずのカバーが逆に細かい擦り傷を作る要因になるとして、ボディカバーを嫌う“否定派”がいるのも事実。
どのようなカバーを選び、どう活用すれば傷を増やさずにボディを守ることができるのでしょうか。

ボディカバーのメリットとして真っ先に思い浮かぶのが、きれいにしたボディの状態をできる限り保たせるために保護するという役割です。
雨や風に舞うホコリなど汚れの付着をカバーで守るのが本来の目的のひとつ。駐車する場所によっては、鳥フン攻撃や新緑が飛ばす樹液などからも大切なボディを守る役目を果たします。
近年では、日光に含まれる紫外線による塗装面の色褪せを抑制する目的で使用されることも増えています。
一方でデメリットも少なからずあります。脱着の手間はかかりますし、濡れた状態でカバーをかけるのは避けるべき。内側に湿気がこもり、カビやサビの原因になる可能性があります。
またボディに直接触れるため、カバーの状態によっては細かい擦り傷の要因にもなります。そのため使い所が難しく、脱着の煩わしさからだんだん使用しなくなる人も多いようです。
それでも、高級車オーナーの多くは質の良いボディカバーを使用していると、都内の高級輸入車専門店スタッフのY氏は言います。
「どんなに高額なカバーを使用しても傷がつくことはあります。
ただ、ボディカバーの脱着でつく程度の傷は、コーティングや表面の研磨などで十分対応できる軽微な傷です。
それよりも紫外線による色褪せや樹脂類などの白ボケなどの劣化を考慮すると、ボディカバーを使用したほうがはるかに劣化を軽減できます」
昨今はボディカバーも進化しており、適正なサイズや形状で作られた車種専用品や、内側に起毛加工が施されている製品など、さまざまなカバーが販売されています。
また、風などに飛ばされないような固定ベルトやヒモなどが用意されている商品もあります。
しかし、擦り傷を作ってしまう大きな要因は、カバーの内側に入り込んだ砂やホコリなどの汚れが固着すること。
どんなに適正なサイズでも少なからずカバーの内側に入り込んでしまうことから、ボディだけでなく、カバーもきれいに保つ(=洗う)ということが大切なのだそうです。
「クルマは定期的に洗車する人でも、カバーを洗う人は滅多にいらっしゃらないかと思います。
特にカバーの内側をさっと水洗いし、よく乾燥させるだけでも、かなり付着した汚れを取り除くことができます。
このとき、間違っても濡れた状態でカバーをかけないようにご注意ください」(高級輸入車専門店スタッフ)
ボディカバーには大別して、車体全体を覆う「フルカバー」タイプと車体上半分を覆う「ハーフカバー」タイプがあります。
耐候性や防汚効果を重視するならフルカバータイプがお勧めですが、車体に直接日光が当たらない駐車環境や脱着の手軽さを優先するならハーフカバーという選択肢も悪くないそう。
特にオープンカーなどは雨風が凌げる駐車環境であっても、ハーフタイプを併用することで幌の劣化を抑制する効果が期待できます。
「ボディカバーで覆う場合は、最低限ボディのホコリなどを落としてからの使用をお勧めします。せっかくボディを守ろうと思っても汚れを蓄えた状態では意味がなくなってしまいます。
同様に雨天走行後は車体をしっかり乾燥させ、水気を切った状態で使用すること。またカバーを定期的に新品に交換することもボディの傷を減らすには有効でしょう」(高級輸入車専門店スタッフ)
※ ※ ※
ボディカバーの耐用年数はおよそ2年~5年ですが、駐車環境によってはもっと短くなってしまうこともあります。
ボディカバーは消耗品と割り切って定期的に交換し、ボディのコンディションを長く保ちましょう。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。












