日産「新型ルークス」初公開! 5年ぶり“全面刷新”で「カクカクデザイン」以外も大進化! 「軽自動車レベル超え」の開放感と「快適リアシート」がスゴい!? 実力はいかに【試乗記】
日産は2025年8月22日、フルモデルチェンジを行った軽スーパーハイトワゴン「ルークス」を発表しました。その乗り味や進化はいかほどだったでしょうか。若手自動車ジャーナリストの西川昇吾さんが試乗して確かめました。
5年ぶりの進化で「静粛性」&「快適性」がアップ
日産は2025年8月22日、新型「ルークス」を発表しました。秋の発売を予定しています。
日本市場でシェアの大きい、スライドドア付きのスーパーハイト軽自動車に属する新型ルークスは、5年ぶりのフルモデルチェンジでどのような進化を遂げたのでしょうか。
筆者(若手自動車ジャーナリスト 西川昇吾)は今回、プロトタイプに試乗する機会を得たので、その様子をレポートしていきます。

新型ルークスの最大のポイントは、室内空間の広さと利便性の向上です。
軽スーパーハイトワゴンで室内空間が広いことは、今や当たり前と思われてしまうかもしれませんが、新型ルークスでは「かどまる四角」のデザインを採用することにより、先代モデルに比べて室内空間をさらに広く確保することに成功しました。
先代モデルではスタイリッシュな印象を重視したデザインが採用されていたこともあり、デザインコンセプトの変更が今回の室内空間確保へと繋がったのです。
続いての進化点は利便性の向上です。この分野では、運転支援システムが充実したことが大きなトピックと言えます。
軽自動車初の3D機能付き「インテリジェントアラウンドビューモニター」が採用されており、あらゆる表示モードが選択できて死角を少なくしてくれます。
また、このシステムは「地点登録」をすることが可能となっています。死角が多くて危険と感じる近所の交差点や、以前に出会い頭事故が起こりそうでヒヤッとした思いをした箇所を登録しておけば自動で起動してくれて、より確実な安全確認ができるのです。
また、インフォテインメントシステムには軽自動車として初めてGoogleを搭載しています。
多くの人がスマートフォンで使い慣れたインターフェースを使用でき、音声操作となるGoogleアシスタントも使用することが可能です。
これを映し出すのは12.3インチのセンターディスプレイ、7インチのメーターディスプレイ。この2つのディスプレイは連続するデザインとなっていて、先進的な印象を持たせるインテリアとなっています。

実際に乗り込んでまず驚かされたのが開放感です。
デザインコンセプトの変更で室内を大きくすることにこだわったことはお伝えしましたが、フロントウインドウの角度や視界に入らないようなワイパーの配置などにもこだわっています。
そのため室内に初めて入り込んだ時は、軽自動車であることを忘れてしまいそうなほど、広くて明るい印象を持ちました。
それは後部座席でも同じでした。リアのサイドウインドウも大きく、後部座席からの眺めも良好です。
さらに、リアシートの天井にはシーリングファンの吹き出し口があるので、暑い夏でも乗員全員が快適に過ごすことが可能となっています。
走り始めてみると、軽自動車としては比較的静粛性が高いことに気が付きました。
室内空間を広くする関係上、傾斜が起き上がったフロントウインドウとなった訳ですが、この対策として遮音ガラスを採用していたり、遮音材の配置を見直していたりしているのが効いているようです。
また、良好な印象を受けたポイントとしては、電動パワーステアリングの制御です。
今回のフルモデルチェンジで取り回しがしやすいように低速域で軽く操作できるような設定にしたというものの、ステアリングからのインフォメーションが薄くなっている印象は感じませんでした。
試乗時間では、後部座席に乗った状態での走行も体験しましたが、後部座席の方が好感触で快適性が高いと思える仕上がりとなっていました。
乗り心地も運転席より後部座席の方が良好な印象で、運転席との会話もしやすい静粛性となっています。
この特徴は子育てファミリーには嬉しいポイントと言えそうです。
ただ、乗り心地に関しては今回の試乗がテストコースであったため、良好な印象を持ちやすいフィールドであったのは事実です。ここは公道試乗で再度確認したいポイントです。
唯一、今回の試乗で不満に感じたポイントを挙げるとすれば、動力性能です。
今回はターボグレードに試乗したのですが、加速感は同クラスのライバルに比べて物足りないと感じてしまったのは事実です。
エンジンのパワーやトルクといった部分もあるのかもしれませんが、トランスミッションの制御の部分も大きく関係していると感じました。
クローズドのテストコースでの試乗であったため、新型ルークスのアピールポイントの1つである運転支援システムを中心とした先進機能を試す機会には恵まれませんでした。
今回の試乗で感じた部分は様々ですが、軽自動車として進んだ各種機能を思えば、公道での試乗が楽しみな1台といえます。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。




































