約270万円! ホンダ「“3列・7人乗り”コンパクトSUV」がスゴい! 精悍マスク×全長4.5m弱で「ちょうどイイサイズ」! インドネシアの「BR-V“N7X”」が超優秀だった!
ホンダはインドネシアなどの海外市場向けに、3列シート・7人乗りのコンパクトSUV「BR-V N7X」を販売しています。国内でも人気間違いなしな同モデルについて紹介します。
日本未導入のコンパクトSUV「BR-V」の実力とは
ホンダ「BR-V」(BR-V N7X)は、新興国市場を中心に絶大な支持を集める3列シート・7人乗りのコンパクトSUVです。
SUVらしいタフなスタイリングとミニバン並みの実用性を、コンパクトなボディに凝縮しています。
どのような特徴があるのでしょうか。

BR-Vの歴史は、2015年のインドネシア国際モーターショーで発表されたプロトタイプに始まります。翌2016年には初代市販モデルが登場しました。
当時は、新興国向け小型車「ブリオ」のプラットフォームを延長し流用することで、手頃な価格と3列シートSUVという新たな市場を開拓しました。
201mmの最低地上高やルーフレール、大径ホイールなどを備え、SUVらしい力強さを持ちながらも、実用重視の合理的なパッケージが高く評価されました。
初代BR-Vは商業的に成功し、6年間で累計25万5000台以上を販売。そのうち約3割はインドネシア市場が占めたとされています。
ただ、日本市場での販売が実現しなかった最大の理由は、安全基準の違いにありました。
特に日本では標準化が進む衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備が未搭載で、ブリオベースの車体構造も、日本の衝突安全基準を満たせなかったようです。
こうした課題を大きく乗り越えたのが、2021年に登場した現行の2代目BR-Vです。開発は「N7Xコンセプト」というユーザー参加型プロジェクトを経て進められました。
プラットフォームも刷新され、2代目「アメイズ」や日本でも導入された「WR-V」と共通の最新世代プラットフォームを採用し、安全性も大きく進化しました。
エクステリアは、SUVらしさを前面に押し出しています。
スリムなLEDヘッドランプと大型グリルがアグレッシブなフロントフェイスを形成し、サイドのシャープなキャラクターラインと相まって、実用イメージから脱却しました。
リアもLEDライトバーでワイド感を強調し、17インチの大径アルミホイールが足元を引き締めています。
インドネシアなど一部市場には、上質感を高めた「N7X Edition」も設定。ダーククロームグリルやブラックホイール、ブラックドアミラー、専用エンブレムなどが装備され、プレミアムな雰囲気が演出されています。
インテリアも大幅に刷新。運転席正面に4.2インチのTFTマルチインフォメーションディスプレイ、センターに7インチのタッチスクリーンを配置。ダッシュボードやドアパネルにはソフトパッドを多用し、質感が大きく向上しました。
ファミリーユースを意識し、各列に電源アウトレットを配置。8か所のボトルホルダーや後席専用エアコン吹き出し口も備えられ、快適性を高めています。
シート配列は2+3+2の7人乗り。2列目は広々としており、3列目も実用的な居住性を確保しています。3列目は50:50分割可倒式で、荷室アレンジの柔軟性も評価されています。
高温多湿な東南アジア市場に合わせ、後席の冷房性能もしっかりと確保されています。
パワートレインは改良型の1.5リッター DOHC i-VTECエンジンを搭載。最高出力121PS、最大トルク145N・mを発生し、駆動方式はFF(前輪駆動)のみの設定です。
トランスミッションはCVTに加え、近年では珍しくなった6速MT(マニュアルトランスミッション)仕様も残されています。
足回りは東南アジア特有の道路環境に最適化され、荒れた路面でもサスペンションがしなやかに動き、凹凸をしっかり吸収。「打たれ強い乗り味」とも評される独特の快適性を備えています。
安全装備も大きく進化しました。上級グレードには先進運転支援機能「ホンダセンシング」が標準装備され、衝突被害軽減ブレーキ(CMBS)、アダプティブクルーズコントロール(ACC)、レーンキープアシスト(LKAS)などが搭載されています。
インドネシアでの販売価格は、2億9730万ルピア(約270万円)から3億7040万ルピア(約336万円)まで。
上級仕様では日本仕様と遜色ない先進安全機能も整っており、技術面では導入障壁はほぼ存在しないと考えられます。
実際、基本的にプラットフォームも安全装備もほぼ共通な2列・5人乗りコンパクトSUVの現行型WR-V(インド生産モデル)は、すでに日本市場へ投入されています。
ハイブリッドモデルが存在しないなど課題がないとはいえませんが、200万円台の廉価なSUVには、他社も含め旺盛な需要が集まっています。
ホンダの英断が期待されるところです。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。






























































