地味な商用車にも新たなニーズ? ホンダ新型軽商用車「N-VAN」が画期的と話題になる理由

自動ブレーキの搭載をはじめ、働く人の安全面でもプラスに

 一方、一日中クルマに乗って仕事をするドライバーにとっては安全性能が気になるところです。Honda SENSINGといった自動ブレーキの装備はもちろん、運転席の位置が従来よりも後ろになることで、衝突時の潰れしろ(クラッシャブルゾーン)が大きくなるため、万一の際の生存空間確保という面では大きなプラスになります。

N-VANを横から見たところ。従来よりもクラッシャブルゾーンが増えている

 このほか、公開されたスタイリングでは、角ばったボディやこれまでの商用車にないカラーバリーエーションで、単純にカッコ良さを感じる人も多く、広大でフラットな荷室の魅力が相まって、個人ユースで利用したいと考える人も多いと予想されます。

 以上のように荷室の床が低くなり、助手席をフラットに折り畳めること、そして、積み下ろし性能もアップ、しかも安全性が高まっているところが話題のポイントと思われます。

 このほかにもオートマチックトランスミッションの無段変速化やパワーのあるターボ車が選べるなど、低燃費や高い走行性能のモデルが選べるというメリットもあります。

 冒頭でも触れました、従来のアクティバンで積めた荷物がN-VANでは積めないものが出てくる恐れがあり、その1点でN-VANの購入が却下されてしまうのが商用車の世界。実は2015年の東京モーターショーにダイハツが今回のN-VANに近いレイアウトの軽商用車「TEMPO」を参考出品していますが、その後、何も発表されていなところを見ると、前輪駆動で低床のモデルは難しいのかもしれません。

2015年の東京モーターショーに参考出品されたダイハツ「TEMPO」

 それでも、N-VANの積載性や積み下ろし性能を評価するユーザーが多くなり、安全面がさらに重視される風潮が高まれば、N-VANが大ヒットし、軽商用車の傾向が変わっていく可能性は十分にあります。しばらくは軽バンの行方に注目です。

【了】

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