トヨタ新型SUV「ワイルドランダー」発表か ハンマーヘッド&ゴツい見た目採用!? 「RAV4」と違う部分は? 兄弟車を中国に導入へ
広汽トヨタの「ワイルドランダー」がまもなくフルモデルチェンジすることが判明しました。
RAV4姉妹車「ワイルドランダー」、フルモデルチェンジへ
トヨタ「RAV4」の姉妹車「ワイルドランダー」がまもなくフルモデルチェンジすることが判明しました。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。

1994年に誕生したRAV4は5ナンバーサイズの小型クロスオーバーSUVとして、バブル経済崩壊後のアウトドアブーム真っ只中に投入されました。
その後、主に北米市場を重視した販売戦略を取り、徐々にボディを大型化、2013年に発売された4代目モデルは海外専売車種になるなど世界戦略SUVとしてのポジションを確立。
2018年に登場した5代目モデルでは新プラットフォーム「GA-K」を採用し、ボディとエンジン、内外を大幅に刷新しました。
主要市場である米国市場では2024年に47万5193台を販売、ピックアップトラックを除くモデルでは販売台数において長年首位を独占しています。
2025年5月には6代目となるモデルがお披露目され、2026年にグローバルで展開される予定です。
なお、パワートレインは純ガソリンモデルを廃止、ストロングハイブリッド(HEV)かプラグインハイブリッド(PHEV)のみとなって話題を呼びました。
RAV4の人気は中国でも高く、毎月2万台前後を販売しています。
トヨタは中国にて第一汽車との「一汽トヨタ」、広州汽車との「広汽トヨタ」の2つの合弁会社を設けていますが、RAV4は前者、そして後者では姉妹車「ワイルドランダー」を製造・販売しています。RAV4はカローラシリーズと合わせて一汽トヨタのベストセラーモデルとなります。
これ以外にも、「カローラ/レビン」、「アリオン/レビンGT」、「イゾア/C-HR」、「クラウンクルーガー/ハイランダー」、「カローラクロス/フロントランダー」、「ハリアー/ヴェンザ」、「グランビア/シエナ」、「クラウンヴェルファイア/アルファード」などが、それぞれ一汽トヨタ/広汽トヨタで展開されています。
中国では現在、一汽トヨタのRAV4が月間2万台前後、広汽トヨタのワイルドランダーが月間1万台前後を売り上げており、合算すると中国でテスラ「モデルY」に次いで人気なSUV車種となります。
そんな中、RAV4のフルモデルチェンジにともなってワイルドランダーもフルモデルチェンジされることが判明しました。
この情報は中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)の公式サイトで公開されました。
中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があり、事前にある程度の情報が判明するのです。
届出情報によると、次期ワイルドランダーのエクステリアデザインは6代目RAV4の「CORE」モデルとほぼ同じです。
現行ワイルドランダーと5代目RAV4は外観の印象がまったく異なっていたため、RAV4と同じ見た目である点は驚きです。
もしかすると日本におけるRAV4「CORE」が中国におけるワイルドランダーとなり、RAV4のその他モデル「ADVENTURE」や「GR SPORT」が中国向け新型RAV4となるのかもしれません。
また、中国向けRAV4は他市場とまったく異なるエクステリアを持つ可能性も考えられます。
ワイルドランダーのRAV4と同じくハンマーヘッド形状のフロントを採用し、ボディ同色に塗装されたグリル周りが新鮮な印象を演出。
また、バンパー下部からフェンダーを介し、リアバンパー下部まで伸びていく黒樹脂パーツなど、オフロードSUVらしいラギッドな一面もしっかりと持ちます。
リアに関してもRAV4と同じで、違う点は「RAV4」エンブレムが装着されているガーニッシュ部分が「WILDLANDER」となっている程度です。
ボディサイズは全長4600 mm x 全幅1855 mm x 全高1680 mm、ホイールベース2690 mmと記載されており、この点もRAV4と同一です。
一方でパワートレインはM20A-FXS型2.0リッター直列4気筒エンジン(広汽トヨタではM20Fと呼称)搭載の「2.0リッターHEV」、A25A-FXS型2.5リッター直列4気筒エンジン(広汽トヨタではA25Dと呼称)搭載の「2.5リッターHEV」、そしてM20A-FKS型2.0リッター直列4気筒エンジン(広汽トヨタではM20Cと呼称)搭載の「2.0リッター純ガソリン」の3種類が現時点で判明しています。
日本や北米向けは純ガソリンモデルを廃止してHEVもしくはPHEVとしていたので、RAV4ともっとも大きく異なる点です。
中国ではPHEVもBEVと同じく人気であるため、ワイルドランダーへPHEVモデルが設定されるかなども気になる点です。
また、駆動方式は純ガソリンとHEVともに二輪駆動と四輪駆動の両方を用意すると現時点で判明しています。
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新型ワイルドランダーがいつ発表されるかは不明ですが、工信部に登場したということは正式発表がもう間もなくであることを意味します。
ワイルドランダーを手がけるのは広汽トヨタで、2025年11月には広汽トヨタのお膝元である広州市で「広州モーターショー2025」が開催されます。
このタイミングまでに新型ワイルドランダーに関する何らかの発表がなされると予想されます。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。
























































