車のフロントガラスにつける「サンシェード」 実は「全く効果ナシ」って本当? 激烈「猛暑日」続きでみんな持ってる「夏の必需品」意外な効果と活用法とは
真夏になるとフロントガラスなどに「サンシェード」を装着して駐車する人を見かけますが、効果はあるのでしょうか。
車内温はそれほど違いはなし。しかし紫外線防止には無駄ではない
少し前までは最高気温が35度を超えると驚いたものですが、いまや36度や37度という日も珍しくなくなってきました。
そんな真夏になると、駐車時にフロントガラスにサンシェードを置いているクルマを見かけますが、効果はあるのでしょうか。
![サンシェードを取り付けたクルマのイメージ[画像:PIXTA]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/08/20250807_atsui_000.jpg?v=1754555768)
サンシェードの種類も実にさまざまで、100円ショップで買えるものから、車種専用設計のもの、他にもホップアップ式や折りたたみ傘タイプのものもあります。
このサンシェード、直射日光を防いでくれることは確かですが、車内の温度を劇的に下げてくれるかというと、実はそうでもありません。
というのも、筆者(松村透)も、とある記事の企画で実際に試したことがあるのです。
100円ショップで購入したサンシェードは、吸盤を使って窓ガラスに固定するタイプ。
すき間が多いことと、サンシェード自体の厚みがないためあっさりと熱を通してしまい、真夏の日中では、1時間計測し、サンシェードがない状態から2度ほどしか室内の温度に違いがありませんでした。
続いてカー用品店で購入した800円ほどの汎用品のサンシェードはというと、さすがに厚みがあって、多少なりとも直射日光を防いでくれそうな予感。
事実、ほぼ同じ条件で実験してみて4度くらい車内の温度に変化がありました。
このときのクルマのボディカラーは白で、南側に面した自宅の駐車場で試しました。
クルマのボディカラーや駐車場の環境によって温度の下がり方が異なるので、あくまでも参考値ですが、一応、多少なりとも車内の温度は下がります。
裏を返せば、車種専用品の高価なサンシェードを購入して取り付けたとしても、劇的に車内の温度上昇を防ぐ効果は期待しない方がよさそうです。
それほど夏場の日差しが強く、また外気の温度が高いためで、サンシェードを取り付けたくらいでは車内の温度低下につながらないのです。
では、「サンシェードなんていらないじゃないか」というと、そうでもありません。
強烈な直射日光を遮ってくれることで、ステアリング、シフトノブ、センターコンソールなど、直接手が触れる部品がそれほど熱くならずに済みます。
室内の温度が高いだけでなく、内装の各部品が熱せられていると、エアコンを全開にしても室内の温度が下がるまで時間を要します。
また、本革シートを装備している場合も有効です。特に黒系の革シートだと、この時期は熱くて座れないほどシート表面が高熱になります。
こうした「熱くて触れない」といった悩みも、サンシェードを装着するだけである程度の効果が期待できるので、試してみる価値はありそうです。
そのほかにも、ダッシュボードやドアパネルなど、紫外線による退色や経年劣化をある程度防いでくれます。
これは旧車やネオクラシックカーオーナーにとって重要で、ダッシュボードやドアパネルなど、内装の樹脂部品の割れや劣化は何としても避けたいところ。
新品のダッシュボードや内張りなどが入手できればまだいい方で、ほとんどの場合は製造廃止となっていることから、デッドストック品や中古パーツがネットオークションに出品されると、毎回のように争奪戦が繰り広げられます。
もし、いま所有している愛車を一生モノ、あるいは可能な限り長く乗りたいと考えているのであれば、今日からでも駐車中にはサンシェードを付けて紫外線対策をはじめてみてください。
数百円、高くても数千円でダッシュボードや内装の部品の割れやヤレ、退色の進行を遅らせることができるなら安いものです。
その効果が現れるのは10年先、あるいは20年先のことになりますが、紫外線が直接当たるよりも、いくらかは経年劣化を遅らせる効果が期待できるはずです。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。





















