よく見る「窓から“タバコ”出し運転」大迷惑です! 道路を「灰皿代わり」もってのほか! 「違反」になることも? 一部ドライバーによる「迷惑行為」の実態 愛煙家が心がけるべきこととは

クルマを運転する喫煙者のなかには、「窓からタバコの灰を捨てる」行為をする者がいます。この行為、モラルとしてどうなのでしょう。

窓から「タバコ」をポイ これって大迷惑ですよ

 多くの公共施設が全面禁煙になるなど、喫煙者にとって年々肩身が狭くなっていることは事実です。

 その点、自身のクルマなら気兼ねなくタバコが吸えます。

 しかし、「窓からタバコの灰を捨てる」行為をする人もいます。この行為はモラルとしてどうでしょうか。

窓からタバコ投げ出し、灰をポロポロ…[画像はイメージです]
窓からタバコ投げ出し、灰をポロポロ…[画像はイメージです]

 厚生労働省が公表している「国民健康・栄養調査」によると、2023年現在、日本の喫煙率は男性が25.6%、女性が6.9%とのことです。

 ちなみに、20年前の2003年時点では、男性が46.8%、女性が11.3%となっており、あきらかに喫煙率は減少傾向にあることが分かります。

 受動喫煙の意識が高まったことに加えて喫煙率の低下に比例しているのか、駅などの公共のスペース、または路上においても喫煙を禁じる傾向が高まっています。

 ショッピングモールなど大勢の人が集まる場所でも、狭い喫煙ルームに大勢の人が集まり、タバコを吸っている光景を見掛けます。

 冒頭にも記したとおり、喫煙者にとっては年々肩身が狭くなっていることは確かです。

 そんな喫煙者が自由になれる「数少ない解放区」といえば自身のクルマです。

 誰にも邪魔をされず、思う存分、心ゆくまでタバコを楽しむことができる貴重な空間です。

 ところが、最近のクルマは灰皿が装備されていないことが多く、オーナー自らで市販のものを用意する必要があります。

 かつて灰皿があった場所は小物入れやスマートフォンの充電スペースへと置き換えられてしまい、時代の流れを感じずにはいられません。

「灰皿が手元にない、でもタバコは吸いたい」。そうなると紙巻きのタバコであれば灰を、加熱式であれば吸い終えたタバコをどこかに捨てる必要があります。

 もっとも手っ取り早いのが、窓を開けて車外に捨てるという行為です。

 タバコを吸っている本人にとっては、吸い殻を処分する手間が省けるし、自身のクルマが汚れるわけではないので、ついつい行ってしまう行為かもしれませんが、周囲のクルマにとっては大迷惑です。

 事実、前方を走るクルマからタバコの灰が飛んできたり、タバコの煙が流れてきて困った…といった経験があるかもしれません。

 とはいえ、タバコの灰を車外に落としている行為はマナー違反ではあるものの、明確な取り締まり対象とはならないのが現状です。

 しかし、タバコの吸い殻となると話は変わってきます。

 道路交通法第76条の4項において、「石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること」「道路において進行中の車両等から物件を投げること」については禁止であると、明文化されています。

 これにタバコの吸い殻が該当する可能性があるのです。

 さらに、タバコの灰や吸い殻をポイ捨てするドライバーにもリスクはあります。

 ドライブレコーダーが普及している昨今、ポイ捨ての模様をSNSにアップされ、あっという間に拡散されるリスクがあります。

 その際、クルマのナンバーを処理せず、そのままSNSに公開されてしまったり、テキストデータとして投稿されることもありえます。

「ポイ捨てした当人の因果応報」といえばそれまでですが、ちょっとした迷惑行為が大ブーメランとなって当事者に跳ね返ってくる可能性があるのです。

 タバコの灰、そして吸い殻も、誰かが片付けなければそのままです。

 ましてや、タバコの吸い殻が雨に濡れると嫌な臭いを発するだけでなく、道路を汚す要因にもなります。

 窓から少し手を出して、「周囲の道路を灰皿代わりにする」なんてもってのほかです。

 大人になればタバコを吸う・吸わないは個人の自由ですが、せめて他人の迷惑にならないよう、一定の配慮をしておきたいものです。

【画像】「ええぇ…」 これがドライバーに嫌われる「迷惑行為」です。(18枚)

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Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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