恐怖!? 走行中にタイヤが「ボンッ!」 突然の“大破裂”で即・走行不能… 何があった? 何で破裂した? 「誰でも起こる」タイヤのバースト “真夏”だからこそ点検必須な理由とは
真夏は「タイヤのバースト」に注意が必要だといいます。一体どういうことなのでしょうか。
常日頃からの「タイヤの状態チェック」大事ですよ
全国的に梅雨が明けたと思ったら、連日35度を超える猛暑日を記録しています。地域によっては7月なのに40度という、記録的な暑さが続きます。
そんな本格的な夏で気をつけたいのがクルマの「タイヤ」です。

東京でも35度が続き、夜になっても25度以上の熱帯夜と、ひたすら暑い日が続いています。2025年7月30日には、兵庫県丹波市で41.2度の最高気温を記録。これは日本における歴代の最高気温を更新したかたちです。
人間にとってはこの猛暑が過酷な環境であることは多くの人が実感していると思われますが、これはクルマについても同様です。
クルマのなかで、唯一路面と接している部品といえばタイヤ。
実は真夏は、タイヤのメンテナンスやチェックを怠ったことが原因で、事故やトラブルを引き起こす可能性が特に高まる時期でもあるのです。
JAF(日本自動車連盟)が発表している、ロードサービスにおける「2024年お盆の時期の主な出動理由TOP10」においては、タイヤのパンクやバースト、空気圧不足が原因で出動したのが、一般道では2位、高速道路では1位です。
それだけトラブルが頻発しやすい時期だといえるのです。
もっとも怖いのが「タイヤのバースト」です。バーストとは、走行中にタイヤが破裂し、ボロボロの状態になってしまうことをいいます。
バーストすると、特に前輪ではタイヤが機能しなくなってハンドルを取られるので、コントロールを失い、事故に至ることもあります。
もしかすると、高速道路の路肩でタイヤがバーストして立ち往生しているクルマを見かけたことがあるかもしれません。
こうなると、スペアタイヤを車載していれば交換すれば走行できますが、もし積まれていなければレッカー車で移動するしかありません。
特に近年はムダを削減する動きからスペアタイヤを省き、代わりに「パンク修理キット」を装備する新車が増えてきました。バーストの場合、文字通り「破裂」なので、小さな穴開きを補修するパンク修理キット程度では、手に負えません。
バーストする主な理由としては、「タイヤの空気圧が低すぎる」「タイヤそのものの劣化」「道路上に落ちていた障害物との接触」「過積載」「(夏なのに冬用の)スタッドレスタイヤのまま走行」などが挙げられます。
実はタイヤがバーストする前には兆候があり、走行中に普段ではないような振動を感じたり、ゴムが焼けるような臭いがした場合はタイヤがウェーブ状に変形する「スタンディングウェーブ現象」が起こっている可能性が高いです。
この時点で(路肩でもいいので)安全を確保して停車すれば、バーストによる被害を回避できます。
直感的に「何だかいつもと違う」と感じたら、速やかに停車し、安全を確保したうえでロードサービスなどに連絡をして救援を待ちましょう。
常日頃からタイヤの状態をチェックしていれば、かなりの確率でバーストを回避できますし、原因のひとつである「スタッドレスタイヤ」は、シーズンごとにしっかりタイヤを履き替える習慣があれば、確実に防げます。
もしタイヤの知識がなくても、インターネットやカー用品店、ディーラーのスタッフなど、クルマのプロフェッショナルに「ここまでタイヤが劣化していたら危険」という状態を教えてもらい、スマートフォンなどで様子を撮影しておくだけでも、事故やアクシデントを未然に防ぐことができます。
回避するには月に少なくとも1回程度、タイヤの空気圧が規定値になっているか確認し、足りなければ空気の充てんを行い、タイヤの溝、そして側面(サイドウォール)に細かなひび割れがないか確認するなど、オーナー自身でチェックが可能なものばかりです。
素人では判断がつかない場合、カー用品店やディーラーなどで診てもらい、適切なメンテナンスを行えば万全です。
現代のクルマが機械として優秀すぎるがゆえ、ノーメンテナンスで乗れると誤解されがちですが、タイヤを含めた消耗品は、定期的に交換しないといつしか本来の機能を果たせなくなり、やがてトラブルや事故などにつながってしまいます。
次にクルマに乗る前に、ざっとでもいいのでタイヤの状態をチェックしてみてください。
この1回のチェックが、タイヤのバーストの回避につながるかもしれません。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

































