世の中には、よく出来ているのに「流行らなかった惜しいクルマ」がたくさん存在します。

　かつてトヨタが開発した「C＋pod（シーポッド）」も、そんな1台と言えるかもしれません。

　C＋podは都市型「超小型モビリティ」で、いわゆるマイクロカーに属するモデル。

　2020年12月に法人・自治体向けに先行販売がスタートし、2021年12月からは「個人向け販売」も開始されました。

　ボディサイズは全長2490mm×全幅1290mm×全高1550mmと、可愛らしい小さな車体で、最大2人乗りの電気自動車（BEV）です。

　国土交通省から型式指定を受けて、先述のように超小型モビリティに指定されており、最高速度は60km以下に制限され、高速道路は走行不可となっています。

　搭載されているモーターは最大出力9.2kW（12.5馬力）、リチウムイオン電池で駆動する後輪駆動車で、フル充電での航続距離は約150km（WLTCモード）。

　車両重量は約670kgと軽量で、コンパクトなボディのため最小回転半径は3.9mと小さく、取り回しがとても楽なクルマでした。

　このようにC＋podは全長2.5m以下と軽自動車より一回り小さいため、狭い路地・住宅街・観光地でもスイスイ走れますし、小さなスペースでも駐車できる便利なクルマでした。

　また、EVならではのスムーズな加速も魅力で、街乗りや地域の移動は軽快かつストレスなし。

　エンジンが存在しないため騒音も出ませんから、夜間走行や住宅地でも環境への配慮は十分です。

　さらに専用の充電設備がなくても、家庭用コンセントを使用することで、約16時間でフル充電可能。

　ガレージやコンセントがある自宅なら、完全に自給自足的な運用が可能でした。

　ボディカラーは全9色から選択可能で、車両価格（消費税込）は166万5000円から173万1000円で販売されていました。

　このように、都市型モビリティとして十分な性能を備えていたため、とても注目されたC＋podでしたが、残念ながら2024年に生産終了となってしまいました。

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　とても惜しいクルマだったといえるトヨタのC＋pod。これで自律走行機能が付けば、高齢者の手頃な足として利用できる、それこそ理想的な都市型モビリティに成長したかもしれません。

　もし将来、技術の進歩によって完全な自律走行が実現されたならば、C＋podの後継モデルが復活する可能性も否定できず、今後の展開に期待したい一台です。