車に付ける「謎のバイザー」 カッコ悪くないですか? 数万円で高いし見た目も損なうけど「あると超便利」なの? 人気の“定番オプション” どんな人が「選ぶべき」なのか
クルマの「ドアバイザー」は便利な定番オプションのひとつですが、デザイン性を損なうというデメリットもあります。では、どういったケースに役立つのでしょうか。
あると便利なドアバイザー。デザインを活かすか、実用性を取るか
人によって「取り付ける」「取り付けない」の傾向がハッキリと分かれる傾向にあるオプションパーツといえば「ドアバイザー」。
取り付けておいたほうがいいユーザー像について考察してみました。

国産車・輸入車を問わず、多くのクルマにオプション設定されているパーツといえば「ドアバイザー」。
雨の日でも、少し窓を開けて走ることができ、車内を換気したいときには非常に重宝するオプションパーツです。
しかし、窓ガラスに小型の「ひさし」を付けるようなものであり、特に流麗なフォルムを持つクルマに装着すると、一気に野暮ったく感じてしまうのは筆者(松村透)だけでしょうか。
クルマの美しいデザインを活かすか、はたまた実用性を取るか。
オーナーによって、これほど好みがハッキリと分かれるオプションパーツも珍しいかもしれません。
では、ドアバイザーが必須なユーザー像について考えてみましょう。
真っ先に挙げられるのは小さなお子さんがいる「ファミリー層」です。
クルマに子どもを乗せると、大人だけが乗車するときには想像もつかない、本当に信じられないようなアクシデントが起こります。
ミニバンを所有する小さなお子さん連れの家族が旅行に行くとしましょう。子どもたちはただでさえ、落ち着きがない年代です。
チャイルドシートやジュニアシートに身体をくくりつけられ、後席モニターで“スタジオジブリ”の映画を大人しく観ていられるのは、せいぜい30分くらいが限度。
そこでご飯やお菓子を食べさせたりして気を紛らわせます。
ようやく大人しくなってウトウト…これで一安心かと思いきや、子どもが突然嘔吐。乗り物酔いしたようです。そして、車内には吐しゃ物のニオイが…。
なんとか乗り物酔いを収め、子どもが調子を取り戻しました。ようやく急いで処理してきれいにするも、このニオイはなかなか取り除けません。
しかもこの日は雨、走っているのは高速道路。雨水が車内に侵入しないギリギリまで窓を開けて換気。
ただ、こんなことができるのもドアバイザーがあったからです。
実はこれ、ほんの数週間前に我が家のクルマで起こったできごとです。
車種を問わず、子育て世代にはドアバイザーはもはやマストアイテムだと断言できます。
そしてもうひとつは愛煙家が乗るクルマ。
タバコを吸うという行為自体が日常化している人も多いと思います。
車内の狭い空間でタバコのニオイや煙が充満するのを避けるべく、運転席と、後席の窓を開けて換気する必要があります。
この場合も、雨の日などの悪天候時にはドアバイザーがないと窓を開けることができません。
雨のなか、ドアバイザーがない状態で窓を開けると、車種によっては雨が車内に入ってきて濡れてしまうことがあります。
クルマのデザインを損なう(車種にあうようデザインされたドアバイザーもありますが)ことを承知のうえで、ドアバイザーを取り付けることをおすすめします。
余談ですが、実は筆者が購入した中古車にもドアバイザーが装置されていました。
正直、取り外そうか迷いました。デザインが好きで購入したクルマだから、なおさらです。
担当してくれたセールス氏からの「ドアバイザーを外すと糊をはがした跡が残るかもしれない」といったアドバイスを受けて、見た目はナンだけど「装着されていることで役立つ場面もあるはず」と判断してそのままにしてあります。
その結果、先述したアクシデントに遭遇したわけです。
愛煙家の方はもちろんのこと、ファミリー層の方でまだドアバイザーを付けていないとしたら、ディーラーで後付けも可能なので、装着を検討してみてください。
部品と工賃で数万円の出費になりますが、お子さんが小さいうちは特に重宝しますよ。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。















