不正改造車「12台」を“一斉摘発”! 国交省「すぐクルマを直しなさい!」命令書も交付!? “大迷惑”な「爆音・シャコタン・フルスモ車」を国道で“抜き打ちチェック”実施 広島
国土交通省 中国運輸局は広島運輸支局で実施した特別街頭検査の内容を公表しました。2箇所の検査で、不正改造車計12台に整備命令を交付したといいます。
広島・福山の国道で「抜き打ち検査」
国土交通省 中国運輸局は2025年7月14日、広島運輸支局で実施した特別街頭検査の内容を公表しました。検査は広島県内の2か所で同日に実施され、不正改造車計12台に整備命令を交付したといいます。
一体何があったのでしょうか。

公道を走行するクルマやバイクには、安全・環境基準を定めた「保安基準(道路運送車両の保安基準)」があります。車検ではこの保安基準に適合しているかをチェックし、クリアすれば公道走行することができます。
いっぽうで、クルマに備わる各装置の取り付けや取り外し、改造などを行い、保安基準に適合しなくなった場合は、「不正改造車」といわれ、公道走行はできません。
例えば、マフラー(消音装置)は、基準に満たない競技用を装着したり、外してしまうと大きな騒音を発生させ、近隣に多大な迷惑をおよぼします。運転者自身にとっても、クラクションや緊急車両の音などが聞こえにくくなり、非常に危険です。
また、足回りのサスペンションスプリングを切断したり、短くすると、保安基準で定められた最低地上高9cmを切る「シャコタン(車高短)」状態になります。走行中に腹下を擦り、道路設備を破壊したり、車体と接触して火花が散り、火災に至ることもあります。
あるいはエンジン下部や足回りパーツなどが道路と接触し、クルマが壊れたり、段差で立ち往生して走行不能になり、ほかの交通の迷惑になる可能性があります。
車体幅を超える競技用のウイングや出っ歯のようなスポイラー、竹ヤリのようなマフラーなどは、走行中に外れて事故の原因になるほか、歩行者などに傷害を与える可能性があります。
ほかにもライトの色や光り方を変えたり、窓に濃いスモークフィルムを貼ること、タイヤをハの字にして回転部分をはみ出させたりすることも、保安基準適用外の不正改造にあたります。
不正改造は、個人が勝手に行うことに加え、「暴走族」(珍走団とも)や「旧車會」、「ドリフト族」「走り屋」「ルーレット族」「環状族」など、グループを作っていることも多く、こうしたグループは暴走行為する以外にも迷惑をかけています。
特に、夜に高速のSA/PAや道の駅などに集結して、空ぶかしやドリフトなどの暴走行為を行うといった迷惑行為はしばしば発生しており、東広島市の道の駅「西条のん太の酒蔵」では開業5ヶ月で、不正改造車の“たまり場”になっている現状があります。
国土交通省では、6月を「不正改造車の強化取り締まり月間」と定め、各地で警察や運輸支局、自動車技術総合機構中国検査部などと連携し、特別街頭検査(検問)を実施しています。
今回、国土交通省 中国運輸局は7月11日に、広島県内の2か所で検問を実施。
実施したのは福山市内の国道182号、広島市南区の国道2号線で、計14台(四輪車6台、二輪車8台)に対し、不正改造がないかを調べました。
このうち12台のクルマで、着色フィルムの貼付(フルスモーク)、最低地上高不足(シャコタン)、基準不適合マフラー(爆音マフラー)の装着等が確認されたといい、その場で検挙されました。
検挙された12台には、「ただちにクルマを直しなさい」という内容の「整備命令書」が交付され、クルマの使用者は15日以内に保安基準に適合するように修理し、最寄りの陸運局などに持ち込んで検査を受ける必要があります。
中国運輸局は、「引き続き、関係機関と連携し、不正改造車の排除に取り組み、平穏な社会生活を確保してまいります」と、一般市民の生活が脅かされている現状を打破すべく、強い姿勢で不正改造車の排除を目指していく方針です。
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広島県内では、道の駅「西条のん太の酒蔵」や道の駅「スパ羅漢」のほか、広島市西区の「広島観音マリーナ」、国道2号線 西広島バイパスの佐方SAなどが、主な不正改造車の集結スポットになっています。
いずれのエリアでも管轄の警察署が検問などを実施し、不正改造車の徹底した排除活動が続けられています。














































































