たった272万円で買える! 日産の「“8人乗り”ミニバン」がスゴい! 全長4.7m以下で「ちょうどイイサイズ」に両側スライドドアと「プロパイ」まで付いて十分!? 最安「セレナ」“X”グレードの買い得度とは

ミニバンの販売台数でトップクラスの日産「セレナ」。その最も安価なグレード「X」は約272万円から購入できますが、はたしてこの選択は本当に賢いのでしょうか。価格の裏に隠された重要な注意点と、購入前に知っておくべきポイントを解説します。

人気ミニバン「セレナ」の“エントリーグレード”その実力は!?

 日本のファミリーカーの代名詞として、長年市場をリードしてきた日産「セレナ」。2022年に登場した6代目(現行型)も、2023年度下半期から2024年度上半期にかけてミニバン販売台数No.1を獲得するなど、その人気は依然として健在です。

 そのラインナップの中で、ガソリン車のもっともベーシックな「X」グレード(FF)は、271万9200円(消費税込み、以下同)というコンパクトミニバン並みのお手頃な価格設定が魅力です。

人気ミニバン「セレナ」の“エントリーグレード”はどんなクルマなのか
人気ミニバン「セレナ」の“エントリーグレード”はどんなクルマなのか

 とはいえ、“最安セレナ”を選ぶことは、本当にコストパフォーマンスに優れた選択といえるのでしょうか。

 まずセレナ Xで得られる価値を見てみましょう。

 最大の魅力は、セレナの真骨頂であるクラス最大級の室内空間を、最も安価に享受できる点にあります。

 また、後方にスペースがない場所でも荷物の出し入れができる「デュアルバックドア」や、両側の「スライドドア(オートクロージャー付)」など、日常の使い勝手を高める便利な機能も標準装備されています。

 黒内装に加え、明るいグレージュ内装も無償で選択可能です。

 ただし、ハンズフリー機能付きの「オートスライドドア(助手席側)」はオプションで、運転席側についてはオプションでも選ぶことができません。

 一方、安全装備の充実ぶりも特筆すべきポイントです。

 衝突被害軽減ブレーキや後側方衝突防止支援などを含む「360°セーフティアシスト」、3列目までカバーするカーテンエアバッグに加え、高速道路での運転負荷を軽減する「プロパイロット」(基本的な追従クルーズコントロール機能)まで標準で備え、安全性に対する日産の真摯な姿勢がうかがえます。

 さらにLEDヘッドランプは、「フロントワイパー連動」や薄暮れ感知「おもいやりライト」機能付の「インテリジェント オートライトシステム」「ハイビームアシスト」が備わります。

 一方でこの価格を実現するために、いくつかの重要な装備が省かれている点も見逃せません。

 エクステリアでは、ホイールがアルミ製ではなくスチール製となり、ランプ類もオートレベライザーが備わらない簡素な仕様です。

 インテリアでは、フロントオートエアコン+リアクーラー、ステアリングスイッチ付き本革巻きステアリングホイールやパドルシフト、前席のUSB電源ソケット(Type-A・Type-C各1個)、プッシュエンジンスターターやインテリジェントキーなど基本的なものは備わります。

 しかし後席用のテーブルや日差しを遮るロールサンシェードなど、子育て世代にとって重宝される快適装備は省略されています。

 中でも注意すべきは、「NissanConnectナビゲーションシステム」のメーカーオプション設定がなく、購入後は一切装着できない点です。

 事故や急病時に専門オペレーターとつながる「SOSコール」や、スマートフォンからエアコン操作が可能なリモート機能などのコネクテッドサービスが利用できなくなってしまいます。

 購入後に追加できない点において、これは最も重大な制約のひとつといえるでしょう。

 では、約27万円高い298万8700円の上位グレード「XV」と比較するとどうでしょうか。

 XVでは、両側ハンズフリーオートスライドドアやリアのオートエアコン、後席テーブルやサンシェードなどの快適装備が標準装備となり、もちろんNissanConnectナビの選択も可能です。

 この装備差を踏まえれば、価格以上の価値を感じる人が多いはずです。

 さらに長期的な視点で見れば、リセールバリュー(中古車となったときの再販価値)という観点も重要です。

 ミニバン市場においては、外観の印象が華やかなエアロ系グレード(セレナでは「ハイウェイスター」系)が中古車市場で人気を集め、高値での売却につながりやすい傾向があります。

 約45万円高い316万9100円の「ハイウェイスターV」(ガソリン・FF)ですが、こちらは数年後の売却時、セレナ Xよりも有利な査定額がつくことが期待できます。

 結果として、所有期間全体で見た実質的なコスト(購入価格-売却価格)の差はわずかになるか、場合によっては逆転する可能性もありそうです。

 もちろん、セレナ Xが最適な選択となるケースもあります。

 たとえば、「とにかく初期費用を抑えたい」「10年以上乗り続ける予定なのでリセールは気にしない」「ナビやオーディオは社外品で、外装もエアロなどで自由にカスタマイズしたい」など明確な目的がある場合です。

 しかし多くのファミリーユーザーにとっては、数年後の乗り換えや日々の快適性を考慮すると、セレナ Xは必ずしも最良の選択とはいえないかもしれません。

 まずは必須オプションを含めたセレナ Xの乗り出し総額を確認し、それを上位のセレナ XVやハイウェイスターVなどと比較することをおすすめします。

 そのわずかな価格差で得られる満足感は、決して小さくないかもしれません。

【画像】超カッコいい! これが日産の格安「“8人乗り”ミニバン」です! 画像で見る(30枚以上)

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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