カーエアコンの設定が眠気を催す? あなたは「外気」派?「内気」派? 本当はどちらがよい?
カーエアコンには、外気を取り入れる「外気導入」と、空調の風を車内に循環させる「内気循環」モードがあります。走行中はずっと「外気」あるいは「内気」という人もいるかもしれませんが、どのように切り替えるのがよいのでしょうか。
「内気循環」で高まるリスクとは
カーエアコンには、外気を取り入れる「外気導入」モードと、空調の風を車内に循環させる「内気循環」モードがあります。前者は、外気取り入れ口を開放し、車内の空気と外気との換気を積極的に行うのに対し、後者ではこれを閉ざし、積極的な外気導入を行いません。走行中はずっと「外気」あるいは「内気」という人もいるかもしれませんが、どのように切り替えるのがよいのでしょうか。
車種によっては、オートで切り替わるものもありますが、この切り替えを頻繁に行わない人もいるかもしれません。どちらにしておくのがよいのでしょうか。カーエアコンシステムや、関連部品などを製造するカルソニックカンセイ(さいたま市北区)に話を聞きました。
――「外気導入」と「内気循環」は、どちらにしておくのがよいのでしょうか?
基本は「外気」です。おもな理由は、安全運転のためです。乗員が眠気を催す原因のひとつになるCO2(二酸化炭素)の濃度を下げるほか、窓がくもりにくくなり、視界の確保にもつながります。
一般的には、車内の空気より外気の方がCO2濃度や湿度が低いので、「外気」モードを選ぶべきでしょう。しかし、排ガスが車室内に入るのを嫌がるケースもあるでしょうから、その場合は「内気」にします。
――「内気」にしたままだとどうなるのでしょうか?
自動車の性能によっても異なりますので、一例をお話します。セダンタイプの車種に2名乗車のうえ、「内気」にして1時間ほど都内の道路を走行すると、CO2濃度は4000ppmくらいになります。たとえば1日8時間労働の職場における労働衛生上の許容濃度は5000ppmとされていますので、CO2濃度の上昇は良いことではありません(編集部注:日本産業衛生学会は、労働者が1日8時間、週40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に曝露される条件下において、CO2濃度については5000ppm以下であれば、「ほとんどすべての労働者に悪影響がみられない」としている。ただしこの濃度まで許容されるわけではない)。
とはいえ、クルマには低酸素状態にならないようにドラフター(喚起口)がついていますので、たとえ「内気」にしたままでも、CO2濃度が急に高まることはありません。