スバルの「“スポーツ”ハッチ」がスゴい! 精悍“スバル顔”で「STI」仕様もあり! 伝統の水平対向“じゃない”俊足モデル「トレジア」とは
STIが手がけた「トレジアSTI」も存在した!
トレジアのパワートレインには、1.3リッターと1.5リッターの直列4気筒DOHCエンジンが設定されていました。
1.3リッター(1NR-FE型)は最高出力95PS・最大トルク121N・mを発揮し、燃費性能を重視したグレードに搭載。
一方、1.5リッター(1NZ-FE型)は最高出力109PS・最大トルク138N・mを発揮し、よりパワフルな走りを提供しました。

トランスミッションはCVTが採用され、駆動方式はFFに加え1.5リッター車のみ4WDが選択可能です。
1.5リッターには、走りを楽しめるスポーツ仕様「TYPE EURO(タイプユーロ)」も設定されたほか、大型パノラミックガラスルーフ仕様も存在するなど、欧州のコンパクトハッチバックを思わせるグレード構成も特徴でした。
その基本性能の高さを見込まれ、デビュー直後の2011年1月開催のカスタムカーイベント「東京オートサロン2011」では、スバルのモータースポーツ部門やカスタムパーツなどを手掛けるSTI(スバルテクニカインターナショナル)が、コンセプトモデル「トレジア STIコンセプト」を出展。
STI製専用チューニングサスペンションやフレキシブルドロースティフナー(フロント)、ブレンボ製ブレーキ、専用エアロや専用シートなどで武装したホットハッチ仕様でした。
コンプリートカーとしての発売こそ実現しなかったものの、翌2012年にはエアロパーツや専用アルミホイールなどのSTIパーツが市販化されています。
一方でカタログ燃費は、1.3リッターで20.0km/L、1.5リッターで19.0km/L(ともにFF車/10・15モード燃費)と当時としては優れた数値を誇りました。4WD仕様でも18.4km/Lをマークしています。
装備面では、グレードによって内容が大きく異なっていましたが、上級グレードではHIDヘッドランプやオートエアコン、クルーズコントロール、本革巻きステアリングなどが標準装備されており、コンパクトながら上質な仕様となっていました。
また安全面では、VDC(横滑り防止装置)、SRSサイド&カーテンエアバッグ、ABS、EBD、ブレーキアシストなどを設定グレードに応じて装備しています。
発売当初の販売価格は142万8000円から197万9250円と幅広く、用途や好みに応じた選択が可能でした。
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2016年3月をもって販売終了となったトレジアですが、スバルのラインアップにおいて、希少なコンパクトスポーツハッチとして独自の存在感を放ちました。
その実用性とクオリティ、そして控えめながらも主張あるデザインは、今なお一部のファンに支持されています。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。























