軽自動車に5人乗車でも違反にならない!? 勘違いも多い子どもの乗車定員の数え方
クルマの定員オーバーは道路交通法違反になってしまいます。その場合どんな違反になるのでしょうか? また、事故に遭ったときの保険金は支払われるのでしょうか?
クルマの乗車定員の確認の仕方
マイカーの乗車定員を知らない人はほとんどいないと思いますが、「最大乗車人数は?」と聞かれたら正解をすぐに答えられる人は少ないと思います。子ども(12歳未満)の人数は数え方が変わるからです。しかし、数え方を勘違いしている人も少なくありません。勘違いでも定員オーバーは道路交通法違反になってしまいます。その場合どんな違反になるのでしょうか? また、事故に遭ったときの保険金は支払われるのでしょうか?
1975年(昭和50年)4月以降、日本で生産されるクルマには後部座席含め、乗車定員分のシートベルトの設置が義務付けられているので、シートベルトの数を数えれば簡単ですが、確実なのは車検証の「乗車定員」の欄を確認することです。
特に注意すべきは「N-BOX」や「タント」など、室内が広いミニバンタイプの軽自動車です。室内幅が1300mm以上あり、後部座席も広々しているクルマの場合、「後ろに3名座れる?」など、思ってしまいそうですが軽自動車はすべて乗車定員4名です。
ちなみに、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示「第二節 第106条(座席)」では、大人1名分の座席幅は最低400mmでOK。軽自動車の中には後席の最大座席幅が1100mmを超えるものもあります。物理的に大人3名が何とか座れてしまいます。
逆に、普通車のクーペタイプのクルマの場合、後席はどう見ても2名でしょ? と思われるようなクルマが実は3名定員ということもあります。3席の真ん中は座席幅400mm以下でも良いのです。
12歳未満の数え方、子ども3人で大人何名分?
道路運送車両の保安基準「第53条」において、「乗車定員は12歳以上の者の数をもって表すものとする。この場合において、12歳以上の者1人は、12歳未満の小児又は幼児1.5人に相当するものとする」と定められています。
教習所で教わったはずですが、筆者(加藤久美子)の知り合いでも「子どもは大人の1/2」と思っている人が多いです。しかし「子どもは大人の2/3」、つまり子ども3名分が大人2名分となります。
例えば、乗車定員5名の車なら最大で「子ども6人+大人1名」が乗れることになります。軽自動車は乗車定員が最大4名になるので、「大人1名+子ども4名」または「大人2名+子ども3名」が最大人数となります。
ちなみに、軽自動車の後部座席の乗車定員は2名なのでシートベルトも2名分しかありませんが、子どもを含んで後席に3名が乗車する場合、シートベルトが足らなくなります。その場合の着用は免除されていますが、シートベルトができない場合は全員分のシートベルトがあるクルマを借りるか、他の交通手段で移動することをお勧めします。