KTM「1290スーパーデュークR」 野獣を自分の手足のように操る充実感
KTMのネイキッドカテゴリーに属し、最もパワフルで充実した装備を持つプレミアムモデルが1290スーパーデュークRです。デュークシリーズの最強モデルは、ただならぬ雰囲気を持っています。
シャープなハンドリングや怒涛のパワーを操る楽しさとは?
KTMがラインナップするストリートモデルにはトラベル、スポーツツアラー、スーパースポーツ、ネイキッドという4つのカテゴリーがあります。その中のネイキッドに属し、最もパワフルで充実した装備を持つプレミアムモデルが1290スーパーデュークRです。
デューク(DUKE)の歴史は結構長く、1994年に発表された620デュークがその始まりです。以来、さまざまなバリエーションを追加しながら進化し、現在は125デューク、250デューク、390デューク、690デューク(18年モデルは日本未導入)、790デューク、1290スーパーデュークGT、そしてこの1290スーパーデュークRという7つのモデルをラインナップ。「R」という文字に他とはちょっと違うスペシャルな雰囲気が漂っています。
そんな1290スーパーデュークRの紹介に入る前に、少しKTMについて触れておきましょう。日本ではまだまだツウなライダーが選ぶイメージですが、実はヨーロッパNo.1のスポーツバイクメーカーだって知っていました? というのも、2017年の販売台数は23万9000台に到達し、この数字はあのBMWの14万5000台やドゥカティの5万6000台を大きく凌駕。いかにその規模が突出しているかが分かるでしょう。
「KTMは1953年にオーストリアのマッティヒホーフェンで創業した“READY TO RACE”のフィロソフィーを持つモーターサイクルメーカーです。オフロードレースではダカール・ラリー17連覇に代表される輝かしい実績を持ち、ロードレースではMotoGPの全クラスに参戦。レースの技術をフィードバックした、走りの楽しいバイク造りが特徴です」とKTMジャパンでマーケティングを担当する増岡淳さん。
というわけで1290スーパーデュークRにもレース由来の最新技術が盛り込まれており、中でもその電子デバイスに注目が集まっています。搭載されるエンジンは1301ccもの排気量を誇るV型2気筒で、しかも最高出力は177馬力を発揮。“The BEAST”、つまり“野獣”というキャッチコピーを持つほどパワフルなバイクですから、それを剥き出しのまま走らせるわけにはいきません。
「確かにそうですね。パワーもさることながら、そのスタリングもエッジが効いていますから乗りこなすのは難しそうに感じられるかもしれません。ところがライディングモードやコーナリングABS、トラクションコントロールをはじめとする先進の電子デバイスによって驚くほど扱いやすいんです」(増岡さん)
なにやらいろいろと難しそうですが、簡単に言えばライディングスキルや路面状況に応じて好みのエンジン特性を選んだり、安全性を高めることができる機構です。たとえばの話、晴れたサーキットという絶好のシチュエーションなら177馬力もアリかもしれません。
でも、雨のワインディングでそれはちょっとイヤです? そんな時は、トラック/スポーツ/ストリート/レインと4種類用意されているライディングモードのレインを選べば安心。177馬力の最高出力は130馬力に制限され、そこに至る特性も穏やかになるため、優しく加速できるというわけです。
それ以外にもリヤタイヤのスリップを検知し、それを抑制してくれるトラクションコントロール、コーナーでブレーキを掛けても車体姿勢が乱れないコーナリングABS、フロントタイヤが浮き上がるウィリー状態を防いでくれるウィリーコントロールなど、ありとあらゆる制御によって安全に、しかも楽しく走れるのが1290スーパーデュークRというバイクなのです。
「もちろんデュークシリーズの最上級バージョンですから、怒涛のパワーを操ることに喜びを感じる方にもお勧めです。シャープなハンドリングや卓越したパワーを求める、ある程度経験を積まれたお客様に多く選んで頂いております」と、そのユーザー像を増岡さんが教えてくれました。