マツダの「“和製”ちいさな高級車」がスゴい! クラス超え「上質インテリア」×全長4mの「ちょうどイイサイズ」! モダンデザインもカッコいい「ベリーサ」とは

軽やかなサイズに上質さを詰め込んだ異色のコンパクトカー、マツダ「ベリーサ」。「小さな高級車」の異名を持つこのクルマの魅力について紹介します。

本革シートも備えた上質コンパクト

 生産終了したクルマを今あらためて振り返ると、「隠れた名車」が多いことに気がつきます。

 2004年6月から2015年10月にかけて販売されたマツダのコンパクトカー「ベリーサ」もそのひとつです。

根強いファンも多いマツダの「小さな高級車」![画像は特別仕様車「ベリーサ Noble Couture(ノーブル・クチュール)」のインテリア]
根強いファンも多いマツダの「小さな高級車」![画像は特別仕様車「ベリーサ Noble Couture(ノーブル・クチュール)」のインテリア]

 ベリーサは、「シンプル・クオリティ・コンパクト」をキーワードに、サイズや価格ではなく“上質さ”で勝負するプレミアムコンパクトという新領域を目指して登場しました。

 プラットフォームは当時の2代目「デミオ」と共用しましたが、外装と内装には独自の意匠が与えられました。

 ターゲットは若年層ではなく、50代前後の夫婦や落ち着いた大人のユーザー。モノとしての良さを重視する層に向け「ちょうどいい贅沢」を提供するコンパクトカーとして設計されました。

 フロントシートには、上級セダン「アテンザ」の大型フレームを採用することで、ゆったりとした座り心地とホールド性を両立しています。

 エクステリアは、丸みを帯びたシルエットに控えめなメッキ装飾を添えたシンプルかつモダンなデザイン。

 フロントマスクにはマツダ他車種とは異なる独自の意匠が与えられ、オーバル調のヘッドライトや張り出したフェンダーなどが、落ち着きと存在感を両立したフォルムを特徴づけていました。

 ボディサイズは全長3975mm×全幅1695mm×全高1530mm。ホイールベースは2490mmで、最小回転半径は4.9mと都市部での使いやすさも確保されています。

 インテリアはブラック基調で直線を活かした端正なデザイン。

 ステアリングやセンターコンソールには本革巻きやウッド調パネルが配されることで、上質な空間が演出されています。

 上級グレード「L」には本革シート(ブラック×ブラウン、ブラック×サンドなど)が設定され、コンパクトカーとしては異例の高級感を備えていました。

 装備面では、当時としては先進的だった「アドバンストキーレスエントリー」(スマートキー)やオートエアコン、ステアリングスイッチ、撥水ガラス、ディスチャージヘッドランプなどが採用され、モデル末期まで改良が重ねられました。

 パワートレインは1.5リッター直列4気筒DOHC(MZRエンジン)と4速ATの組み合わせで、最高出力113PS・最大トルク140N・mを発生。駆動方式はFFに加え、後輪をモーターで駆動する「e-4WD」も設定されました。

 カタログ燃費は、後期型で18.4km/L、e-4WDは同じく後期型で17.2km/Lにまで改善されました(ともに10・15モード燃費)。

 サスペンションはフロントにマクファーソンストラット式、リアにトーションビーム式を採用。乗り味はしっかりとした印象で、制振性と静粛性にも力が入れられています。

 特に床下には制振材を効果的に配置し、ピラー内部やガラス周辺には吸音材や遮音材を用いることで、ロードノイズの侵入を抑える構造となっていました。

 発売当初の価格は1.5リッターFFモデルで153万3000円、e-4WD仕様で172万7250円。後期の上級仕様や特別仕様車では180万円を超えるモデルも設定され、「コンパクトカー=安価」という常識にとらわれない価格設定が特徴でした。

 ベリーサの販売が終了したのは2015年11月で、約12年の歴史に幕を閉じました。

 いわば「小さな高級車」といえる設計思想、内外装の質感は、のちのコンパクトSUV「CX-3」やコンパクトカー「MAZDA2」に受け継がれましたが、今でもベリーサは一部のファンから高い評価を得ています。

 コンパクトながら静かで快適、そして何よりデザインに古さを感じさせない点が魅力となっているようです。

 ユーザーの感性に訴える個性派コンパクトとして、今なお色褪せない存在だといえるでしょう。

【画像】超カッコいい! これがマツダの「ちいさな高級車」です! 画像で見る(30枚以上)

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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