前席で「3人乗れる」ってマジ!? ホンダの「2列6人乗りミニバン」がスゴい! 全長4.3m級の「ちょうどイイサイズ」×斬新「V字」配置? ホンダ「エディックス」とは
ホンダらしいチャレンジ精神が楽しい「名車」!
シートはすべて独立タイプで、前列中央はトレイにもなる多機能設計。
リアシートは3席独立でワンタッチダイブダウン格納が可能で、最大荷室容量1049Lのフラットな空間を確保できます。

ラゲッジスペースは6人乗車時でも439L(Honda測定値)を維持するなどして、実用性も抜群でした。
エンジンは登場当初、1.7リッターSOHC VTEC(最高出力130PS)と2.0リッターDOHC i-VTEC(最高出力156PS)の2種を設定。
トランスミッションは4速または5速ATで、駆動方式はFFとリアルタイム4WDが選べました。
2006年のマイナーチェンジ時には1.7リッターが廃止され、新たに2.4リッターDOHC i-VTEC(最高出力162PS)を搭載したスポーティグレード「24S」が追加されました。
カタログ燃費は1.7リッター・FFで13.8km/L、2リッター・FFで13.0km/L、2.4リッター・FFで12.0km/L(ともに10・15モード燃費)。
安全装備も充実しており、助手席&前列中央席に対応した大型エアバッグ、全席3点式シートベルト、ISOFIX対応チャイルドシート固定具、ABS+EBD、サイド&カーテンエアバッグ(オプション)などを備えていました。
発売当初の価格は1.7リッター「17X」(FF)が178万5000円、2リッター「20X」(FF)が201万6000円、マイナーチェンジ後の最上級グレード、2.4リッター「24S」(FF)は235万2000円でした。
このほか、装備を充実させた特別仕様車も展開されています。
※ ※ ※
そのユニークさゆえ、販売面では苦戦したエディックス。
3ナンバー専用サイズ、非スライドドア仕様、そして6人乗りという中途半端な印象が、主流となっていた5ナンバーサイズ・3列シート・スライドドア装備のミニバンと比べて不利に働いたためとみられます。
結果として販売期間は約5年と短く、2009年に後継モデルもないまま生産終了となりました。
それでもエディックスは、今なお一部のファンに愛される「隠れた名車」です。
横並び3人乗車のユニークさ、シートアレンジの多彩さ、そしてホンダらしいチャレンジ精神を感じさせる構造で、販売台数では測れない価値をもった1台だったことは間違いありません。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

































