約1,600万円!? 左ハンドルのトヨタ新型「アルファードPHEV」の印象は? プラグインビジネスの覇者、台湾仕様を現地で乗った【試乗記】

試乗して実感~ 330万TWD(約1,600万円)の価値は十分にある

 Alphard PHEVに搭載されているプラグインハイブリッドシステムは、2.5リットル直列4気筒ガソリンエンジン(A25A-FXS型)をベースに、E-CVT無段変速機、前後モーターによるE-Four電子制御4WDシステム、そして18.1kWhの高性能リチウムイオンバッテリーで構成されています。

 エンジン単体での最高出力は177馬力(hp)/22.3kgmで、フロントモーターは182hp/27.5kgm、リアモーターは54hp/12.3kgmを発揮。システム全体としての総合出力は306hpに達し、HEVモデルと比べて実に56hpもの出力向上を果たしています。

 また、燃費性能も大幅に向上しており、HEVの15.5km/Lに対してPHEVは74.1km/Lという圧倒的な数値を実現。さらに、80kmのEV(電気のみ)走行距離も確保されており、日常使いはもちろん、長距離ドライブにも十分対応可能です。

 加えて、ドライブモードはEV/HV/CHG/AUTO/ECOの5種類が用意されており、多様な走行シーンや好みに応じた最適なドライビング体験を提供してくれます。

 これこそが、PHEVがHEVと一線を画す最大の特徴であり、優位性といえるでしょう。

PHEVモデルの走行モードは、EV/HV/CHG/AUTO/ECOを含む5つのモードから、より豊富で多様な選択を提供できます。(画像提供:車訊網 CARNEWS)
PHEVモデルの走行モードは、EV/HV/CHG/AUTO/ECOを含む5つのモードから、より豊富で多様な選択を提供できます。(画像提供:車訊網 CARNEWS)

 最大システム出力が306馬力に達するとはいえ、この車は全長5メートル超、車重もほぼ2.5トンに達する大型MPV(ミニバン)ですから、スポーツカーのような鋭い加速や猛烈なスピード感は期待できません。

 しかし、HEVモデルと比較すると、加速のレスポンスは明らかに軽快でスムーズになっており、アクセルを強く踏み込めば、それなりに力強さも感じられます。

 特に中〜高回転域での加速や追い越し時には、エンジンとモーターの両方が一体となって力強いトルクを発揮してくれるため、ストレスなくスムーズに走行できます。総じて、運転時の感覚は非常に快適で、余裕のあるドライブフィールが味わえます。

 さらに、バッテリー残量が十分にある場合はEV(電気のみ)モードに切り替えることができ、静かでスムーズな電動走行の加速感と静粛性を存分に楽しめます。

 電力が不足した際は、CHGボタンを押すことでエンジンを作動させ、強制的にバッテリーへ充電することも可能です。これこそがPHEVならではの面白さとも言えるでしょう。

総有効馬力 306 馬力のおかげで、スロットル加速応答全体が非常にスムーズかつ機敏で、特に上り坂で追い越ししてから加速するときは、非常にゆったりとリラックスできます。(画像提供:車訊網 CARNEWS)
総有効馬力 306 馬力のおかげで、スロットル加速応答全体が非常にスムーズかつ機敏で、特に上り坂で追い越ししてから加速するときは、非常にゆったりとリラックスできます。(画像提供:車訊網 CARNEWS)

 Alphardは第4世代へのフルモデルチェンジに際し、トヨタのTNGA次世代モジュール構造を採用し、GA-Kプラットフォームの中でもMPV専用の設計に基づいて開発されました。

 これにより、車体剛性やねじれ剛性が強化され、全体的な乗り心地と安定性が大幅に向上しています。サスペンションは従来通り、前がマクファーソンストラット式、後ろがダブルウィッシュボーン式を採用しています。

 今回試乗して最も印象的だったのは、車体の剛性感とシャシーのしっかりとした造り込みです。

 特にメーカーが前後サスペンションの衝撃吸収性をそれぞれ30%、15%向上させたことで、急加速や急減速を行っても車体の前後の揺れが大きく抑えられ、滑らかで落ち着いた走行が可能になっています。

 乗り心地の快適性は確実に向上しており、高速道路での伸縮継ぎ目や路面の凹凸を通過した際でもサスペンションが素早くショックを吸収し、すぐに安定を取り戻してくれます。

 また、ワインディングロードでのコーナリング性能についても、車高の高さやボディサイズからくるロール(横揺れ)は避けられないものの、柔らかさとしっかりとした支えを兼ね備えたサスペンションの助けにより、コーナーの進入から脱出までスムーズで安定した動きを見せてくれます。

 さらに、優れたフロントの操舵応答性と、E-Four電子制御四輪駆動システムによる高いトラクション性能のおかげで、運転は非常にしやすく、予想以上に安定感のあるコーナリングが可能です。

 HEVモデルが既に備えている製品特徴、たとえば、車内の高級感あふれる質感、充実した快適装備と先進的なテクノロジー、安全性を高める先進運転支援システム、そして第2列に配置されたオットマン仕様のファーストクラスシートによる快適かつ特別な乗り心地などに加え、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルでは、よりパワフルな動力性能に加え、80kmのEV走行が可能な電動走行距離がプラスされており、まるで電気自動車のような運転体験を提供してくれます。

 特に、平均燃費が驚異の74.1km/Lに達する点など、これらの特長とメリットを考えれば、十数万円高くてもPHEVモデルを選ぶ価値は十分にあると言えるでしょう。

【最速試乗】ビジネスミニバンの王者 トヨタ・アルファード PHEV(台湾サイトへ)

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Writer: 車訊網 CARNEWS

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