大型連休はクルマで移動する人が多く、高速道路が大渋滞しがちです。
　
　渋滞の原因はいくつかありますが、なかでも構造上の問題で渋滞が発生しやすい「サグ」と呼ばれる箇所があります。
　
　なぜサグで渋滞が起こりやすいのでしょうか。

　渋滞には大きく分けて3つの原因があると言われています。

　1つは、通行許容量を超える交通が集中することで自然発生する「交通集中渋滞」。多くのクルマが同じタイミングで高速道路を利用すれば、交通が集中するのも当然です。

　意外にもこれが渋滞の約7割を占めると言われています。

　残る2つは「工事渋滞」と「事故渋滞」で、どちらも車線を制限する必要に迫られるシチュエーションが発生することで、合流などにより全体の走行速度が低下し、渋滞につながるのです。

　渋滞の原因として最も多い交通集中渋滞のなかでも、約6割が高速道路上の上り坂、またはサグと呼ばれる道路環境によって発生。

　サグとは下り坂から上り坂へと差し掛かる箇所のことを言います。

　下り坂でアクセルを緩めて走行し、サグで上り坂になってもアクセルを緩めたまま走行することで速度が低下。

　それに気付かずに走り続けることで、車間距離を取るために後続車が次々と走行速度を下げる行動が連鎖し、最終的には渋滞へと発展するというわけです。

　後続車がブレーキを踏んで速度調整することから「ブレーキの波」とも呼ばれますが、これはサグに限った話ではなく、トンネルの入口付近やインターチェンジの合流部分でも発生します。

　サグで渋滞が発生しないように、我々ドライバーができることはあるのでしょうか。

　渋滞の原因になる速度低下を引き起こさないためにできる対処法は、アクセルの踏み加減を一定にするのではなく、メーターで確認しながら速度を調整して走行するように心がけること。

　そのため、NEXCO各社はペースメーカーライトを設置し進行方向にライトを点滅させたり、標識の設置などで意図的な速度回復を促す対策を実施しています。

　また合流地点では「ファスナー合流」が推奨されています。

　これは本線上のクルマと合流したい車列が1台ずつ（ファスナーのコマのように）交互に合流させる方法のこと。円滑な合流ができれば、渋滞の発生が多少なりとも変化するのではないでしょうか。

　そこで活用したいのが、近年装着車が増えている「ACC」（追従型クルーズコントロール）です。

　上限の速度を設定しておくと、前走車がいなければ設定速度をキープ、前走車を検知すると一定の車間距離を保持しながら走行してくれるという便利な機能です。

　特に昨今のACCは0km／hまで対応するものも多く、つまり渋滞におけるストップ＆ゴーまでサポートしてくれるようになっています。

　ACCによって一定の速度を保ち、十分な車間距離を確保することで、渋滞だけでなく事故対策にも繋がるというわけです。

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　また、走行中に自分のクルマがどれくらいの速度で走行しているのか、メーターで視認することも大切です。

　ちなみに筆者（金田ケイスケ）は「ピッタリ速度ゲーム」をすることもあります。これは勾配に影響されず、どれだけ制限速度ピッタリで走れるかをゲーム感覚で挑戦するもので、意外に気分転換にもなります。

　周囲の交通状況を最優先にしつつ、試してみてはいかがでしょうか。