スバルの「超“極小”ミニバン」がスゴい! 全長3.5m級ボディに「3列シート」!? 「4人」寝られる車中泊仕様もあった「ドミンゴ」とは
今から40年以上前に登場したスバル「ドミンゴ」は、全長わずか3.5m弱で3列・7人乗り、しかも4人も寝られる車中泊仕様までラインナップされた、現代のコンパクトミニバンの先駆けとも言える画期的なモデルでした。
ほぼ軽で7人乗り!? スバルの「元祖」コンパクトミニバン「ドミンゴ」
近年、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」など、比較的小さなボディに3列シートを備えたコンパクトミニバンが人気を集めています。扱いやすいサイズ感と、いざという時に多人数乗車ができる点が支持されているようです。
しかし、こうしたコンセプトのクルマは最近登場したものではありません。その先駆けとも呼べる画期的なモデルが、40年以上前にスバル(当時の富士重工業)から発売されていました。その名は「ドミンゴ」。超極小ミニバンとも呼べるユニークな一台でした。
![スバルの超“極小”ミニバン「ドミンゴ」! 写真は2列目席をたたみ1列目を回転した状態です[画像提供:SUBARU]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2025/04/20240426_SUBARU_DOMINGO_000.jpg?v=1714114695)
初代ドミンゴが登場したのは1983年です。
当時スバルが販売していた軽ワンボックスカー「サンバートライ」(4代目サンバーベース)のボディを基本骨格としながら、その巧みなパッケージングによって3列シートを配置し、7人乗りを実現していました。
スペイン語で「日曜日」を意味する車名には、このクルマに乗れば、気分はいつも日曜日という想いが込められていたといいます。
ボディサイズは、全長3425mm×全幅1430mm×全高1900mm(初代・4WDモデル)。これは、ベースとなったサンバートライの全長・全幅を、大型バンパーやサイドモールの追加で、当時の軽自動車規格(全長3200mm以下、全幅1400mm以下)をわずかに超えるように拡大したものでした。
それでも現代のコンパクトミニバン(全長4.3m級)と比較すると驚くほど小さく、まさに極小サイズでした。
エンジンは、ベース車の軽自動車用エンジン(当時は550cc)から、よりパワフルな1リッター直列3気筒エンジン(最高出力48PS)に換装され、小型車として登録されました。
駆動方式は、サンバー同様にリアにエンジンを搭載し後輪を駆動するRRレイアウトを基本に、悪路走破性を高めるパートタイム4WDも設定。そのコンパクトなボディと、最小回転半径わずか3.9mという軽自動車並みの小回り性能も相まって、狭い道が多い山間部や温泉街の送迎車としても重宝されました。
初代ドミンゴのユニークな点は、シートアレンジにも表れていました。
1列目シート(運転席・助手席)を後ろ向きに回転させ、2列目シートを畳んでテーブル代わりにすることで、車内が対座式のリビング空間に早変わりするという、遊び心あふれる機能を備えていたのです。
1986年にはマイナーチェンジを実施。4WDシステムには、より使い勝手の良いフルタイム4WDが追加設定されました。同時に、4WDモデルのエンジンは1.2リッターへと排気量が拡大され、動力性能が向上しています。
いっぽうで、トランスミッションはデビュー以来マニュアル(MT)のみの設定でした。これは当時AT車の普及が進む中で珍しい選択でしたが、ベース車との兼ね合いもあったと考えられます。
また、このマイナーチェンジでは「サンサンウインドウ」と呼ばれる特徴的なサンルーフもオプション設定。ルーフ中央の大型サンルーフに加え、2列目頭上のルーフ側面にもガラスを配することで、室内に圧倒的な開放感をもたらしました。
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