「トヨタさん…なぜ売らないの?」 初代は日本で「大ヒット」なのに…! 小型SUV「2代目・C-HR」が日本市場で復活しない理由とは

2代目C-HRが国内導入されない理由とは

 2代目C-HRが国内導入されない理由は、日本のSUVマーケットの変化です。

 2010年代後半は日本で「クーペスタイルSUV」の需要がしっかりあって、だからこそ初代C-HRやジュークが人気モデルとなりました。

 しかし2020年代に入ると、ユーティリティ系のSUVが販売の中心となり、対照的にクーペスタイルSUVのマーケットは縮小。

 2022年になると、C-HRはモデル末期とはいえ、国内の年間販売台数がピーク時の1割程度まで落ちてしまったのです。

日本でも発売して欲しい! 現行5代目「プリウス」との共通性も感じさせる2代目「C-HR」のフロントデザイン
日本でも発売して欲しい! 現行5代目「プリウス」との共通性も感じさせる2代目「C-HR」のフロントデザイン

 そこでトヨタは「ヤリスクロス」や「カローラクロス」などC-HRに近いサイズのユーティリティ系SUVをデビューさせつつ、国内のC-HR販売を終える選択をしました。

 実は日産も同様の状況でした。

 初代ジュークの後継となる2代目ジュークは、欧州など海外では販売しているものの「国内での役割を終えた」として日本には投入していません。

 代わって、同じコンパクトサイズでもユーティリティを高めた「キックス」を日本へも導入したのです。

 もしも日本でクーペスタイルのSUVがトレンドになることがあれば、その時はC-HRやジュークの国内再投入もあるかもしれません。

 ところで、なかにはスズキ「フロンクス」はクーペスタイルなのにどうして国内投入され、人気を博しているのかと疑問に思う人もいることでしょう。

 それはフロンクスの実車に触れてみれば理解できるはずです。

 たしかにクーペスタイルの軽快なフォルムを持つフロンクスですが、C-HRやジュークとは異なり、後席スペースは広くて実用的。

 ラゲッジスペースも工夫して容量をしっかり稼いでいるのです。

 ある意味スズキのパッケージングの妙を感じさせるし、もしも将来のC-HRやジュークが「実用性をしっかりと確保したクーペスタイルSUV」に進化すれば、その時は日本投入の可能性も高まるかもしれません。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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