アウディ「新型A5」登場! 主力の「A4」から“全面刷新”で何が変わった? 最新世代の「4ドアクーペ」「5ドアステーションワゴン」を乗り比べ!【試乗記】
新しい「5ドアセダン」と「5ドアステーションワゴン」の違いは?
今回の試乗では、セダンとアバントともに同グレードであるTFSI クワトロに乗ることができました。エンジン性能は、最高出力204ps、最大トルク340Nmを発揮。車両重量は1800kgほどであり、意外にもセダンとアバントでは、20kg差に留められています。
スタイリングは、いずれもスポーティさと低重心さを感じさせるスタイリッシュなもの。
セダンは、従来のA5スポーツバックの後継でもあるため、4ドアクーペのフォルムを持ちますが、アバントも実用ワゴンではなく、「シューティングブレーク」と呼ばれるクーペライクな美しいシルエットを意識した流麗なデザインとなっています。

ラゲッジ容量は、4WD車だと標準時でセダンが417リッター、アバントが448リッターとなっており、大型テールゲート付きのセダンが健闘。その万能ぶりをうかがわせますが、テールゲート開口部の高さや荷室の長さでは、アバントに分があります。
さらにルーフ形状の違いから、ヘッドクリアランスがアバントの方が広いため、後席のゆとりも増しています。
ただし、セダンも後席に男性の筆者(大音 安弘)が着座しても十分な広さが確保されているため、スタイリングの好みでボディタイプを選んでしまっても良いでしょう。
アウディが得意する走りは、男性が3名乗車した状態にも関わらず、機敏な動きと力強い加速を見せてくれました。ピュアエンジンのリニアな加速感もエンジン好きにはたまらないポイントでしょう。
試乗車は、オプションで用意されるスポーツサスペンション搭載車でしたが、減衰力調整機能も備えるため、しっかりとした操作性や走行安定性を確保しながらも、乗員に不快な振動を感じさせない、高級車らしい味付けとなっています。
PPCプラットフォームの採用でボディ剛性も高まっているようなので、標準サスペンション搭載車の乗り味にも期待が高まります。残念ながらその確認は、次回の宿題となりました。

ボディサイズのアップで懸念される取り回しですが、街中や首都高速などの試乗では、全く大きさを意識させることなく、従来型同様の感覚で扱うことができます。
今回の同仕様比較では、大型テールゲート備えながら、アバントよりもボディ剛性の高さを感じさせ、アバントに迫る使い勝手を備えるセダンに軍配を上げたいと思います。
内外装がよりスタイリッシュとなり、機能も向上されたA5は室内も広いため、より上位のミドルサイズモデル「A6」では大きすぎるという人にもオススメです。
デジタルコクピットも、流行の巨大なセンターディスプレイもないため、運転席周りのデザインに雑味がないことも好印象でした。
現在のところEV(電気自動車)に熱心なアウディですが、磨き続けてきたエンジン車にも、まだまだ期待が膨らむ試乗となりました。
Writer: 大音安弘(自動車ライター)
1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。
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